富山湾で冬の味覚の代表格であるズワイガニ漁が解禁となった。初日の水揚げは豊漁となり、射水市の新湊漁港では威勢の良い競り人の掛け声が響き渡り、港に活気をもたらした。

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能登半島地震の懸念を乗り越えて豊漁

6日に解禁されたズワイガニ漁では、新湊漁港から深夜に出港した底引き網漁船4隻が約12時間後に戻ってきた。今年は能登半島地震の影響が心配されていたが、そうした懸念を払拭する好調な初水揚げとなった。

松宝丸の松本隆司船長は「地震のせいで漁場が崩れて網を入れたら破れるところがいっぱいあったが、そこを避けてやれた。(初日は)結構とれた。良いところをやれた。ついにこの時期が来たなと思う」と語った。

昨年を上回る水揚げ量

初日の水揚げ量はオスが800匹、メスが2150匹で合わせておよそ3000匹に達した。これは昨年の初日と比較すると、オスは1.6倍、メスは2倍以上の水揚げ量である。

午後0時半から始まった競りでは、活きの良いズワイガニが次々と競り落とされていった。

特に注目を集めたのは「特選」タグが付けられた大物のカニだ。新湊漁港では重さが1.3キロ以上で、甲羅の硬さや身の詰まりが良いものを「特選」に認定している。

特選カニは10万円近い高値

初日に水揚げされた最上級の「特選」カニには、1匹10万円近い値が付いた。このカニを競り落とした割烹かわぐちの瀬戸拓也料理人は「毎年のことなので地元に良いものを残したいということで買った。去年よりは安かった。お客さんの要望で刺身、茹でる、焼くなどして調理したい」と話した。

豊漁の影響もあり、ズワイガニの平均単価は前年と比べてオスで3割、メスで5割ほど安くなったという。

秋冬の味覚シーズン本番へ

ズワイガニ漁は年末年始にかけてピークを迎え、メスは来年1月20日まで、オスは来年3月20日まで続けられる予定である。

また、9月に解禁された富山湾の秋の味覚ベニズワイガニも新湊では昨年と比べて好調な水揚げとなっている。これから冬にかけて、富山湾の二大カニを堪能できる絶好の時期を迎える。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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