ミスが目立ちながらも勝ち切れた二つのポイント

10月29日、ウイングアリーナ刈谷で「りそなグループ B.LEAGUE 2025-26シーズン」のB1リーグ第6節が行われ、シーホース三河は琉球ゴールデンキングスをホームに迎えた。三河は、4年連続でファイナル進出を果たしている強豪・琉球に82-77で勝利して3連勝となった。

最終的なスタッツを見ると、ターンオーバーは三河が13で琉球が8、シュートアテンプトは三河が60で琉球が67と、数字を見れば負けてもおかしくはないゲームだった。特に前半は3Pシュートの成功率で、三河の21.4%に対して琉球は53.8%、アシスト数でも三河5で琉球15と圧倒的な差をつけられた。

3Qではターンオーバーを連発した時間帯もあり、決してベストな内容ではなかった。自滅しそうになりながらも粘って勝利できたポイントについて、西田優大は「リバウンドでのクラッシュ」と「キープレイヤーに対するディフェンス」を強調した。

「今シーズン、出だしは悪くないんですけど、そこからちょっと停滞してしまう時間があって。今日もそこが出てしまいましたけど、亮伍(角野)さんやダバンテ(ガードナー)が戻してくれた印象です。今日の試合はディフェンスリバウンドに限らず、オフェンスリバウンドでもクラッシュできたのがよかったと思います。リバウンドは自分たちにとって課題で、昨シーズンのCSの宇都宮戦もそうですが、リバウンドで負けた印象の試合が多い中、今日は取り切ることができてよかったです」

何度も流れを手放しそうになりながらも相手を波に乗らせなかったのは、チームで遂行したディフェンスがあるから。

「イージーなターンオーバーをしてしまい、前半だけで琉球さんはアシストが15です。気持ちよくプレーされたんですけど、主要選手には好きにやらせなかった。そこが、相手を波に乗らせなかった部分かなと思っていて。打ちたくないシュートを打たせて、きっちりとリバウンドを取る。1試合を通して、これくらい相手のキープレイヤーを絞ってディフェンスできれば、これからもいいゲームができると思います」

エースキラー・西田優大が仕事を果たす

琉球のスコアラーは、ヴィック・ローと岸本隆一。このダブルエースをそれぞれ10得点、6得点に抑えることができたのが最大の勝因だろう。サイズを考えれば、この日のスタートだった長野誠史が岸本をマッチアップするのが一般的だ。しかし、ライアン・リッチマンHCは西田優大に岸本のマークを託した。その効果は絶大で、出場していた時間帯のチーム全体の得失点差を示す「+/−」では、西田優大はチームトップの+21で、岸本隆一は−15と如実にあらわれている。エースがエースキラーを実行したゲームだった。

オフェンスでは、西田優大とガードナーが起点になったシーンが目立った。特に21得点11リバウンドでダブルダブルを記録したガードナーについて、リッチマンHCは「あんな選手は見たことがない」と手放しで称える。
「彼は本当に素晴らしい活躍を続けています。今まで彼のような選手は見たことがなく、プレースタイルはまるでニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)のよう。それくらい素晴らしいです。彼自身は(注目を)すごく求めているわけではないですが、彼の功績を忘れないでほしいです」と訴えた。

今日の勝利で3連勝となり、5勝5敗の五分に戻した。シーズンはまだまだこれから。西田優大は言う。
「正直、課題はたくさんあります。でも、アヴィ(シェーファー アヴィ幸樹)が帰ってきてアーロン(ホワイト)はプレーしやすくなったと思いますし、チームとしてもゲーム感覚を取り戻してきました。バイウィークまでにディフェンスレーティング(100ポゼッションでの平均失点)をトップ10以内にするのが目標です。その意識があるから今日はディフェンスの強度がよかったんだと思いますし、いい教訓になりました」

これまでリッチマンHCは「三河はディフェンスから入るチーム」と話してきた。ディフェンスの改善、特にイージーなミスからの失点を減らせば、チームはさらに上昇するはず。そして、琉球戦のようにミスが目立っても勝利できたことは非常に大きい。この積み重ねが勝ち癖につながっていく。

東海テレビ
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