28日午前7時過ぎに東京・品川区で撮影された写真。
道路と歩道との間に10cm以上もの段差ができています。

東京の中心で道路が突然、隆起。
品川区の職員が発見したというその現場は、JR大崎駅から600メートルほど離れた線路沿いの交差点でした。

近所の住民は「こんなふうになっちゃうんだなと思ったらびっくりですね。地震とかそれぐらいの力がないと、こんなにならないですもんね」と話しました。

周囲にマンションが立ち並び、人通りも多いこの場所。

28日午前6時過ぎに自転車で現場を通った女性は「ここ走ってきたの、ここ走ってきて、いつも真っすぐ来るから平気だと思ったら、自転車がポンって跳ねたんですよ。そしてここでつまずいて自転車で。びっくりして『え~!』と思った」と、突然できていた段差でつまずいてしまったと話します。

段差は最大13cmに及んでいたといいます。

品川区が各所に連絡したところ、現場近くの地下80メートル付近で、JR東海がリニア中央新幹線のトンネル掘削工事を進めていたことが分かりました。

品川区から連絡を受けたJR東海は、すぐに工事を中断。
道路の隆起とリニアのトンネル工事に因果関係があるのかどうかを含めて調査を開始しました。

まさかの事態に近所に住む人たちからは「まさかウチの前だと思わなかったの。やっぱり怖いですよ」「やっぱ不安はありますよ。広がっていかないのかとかね」など不安の声も上がる中、品川区の森澤区長は、JR東海宛てに原因が分かるまで工事を再開しないよう求める緊急の申し入れを行いました。

29日午後、森澤区長が「イット!」の取材に応じました。

品川区・森澤恭子区長:
今、原因究明中というところではありますけど、区民の安全安心を脅かす事象として重く受け止めている。原因究明した上でですが、再発防止策が取られることが大事。

品川区では段差を埋める応急処置を行いましたが、一部で段差が残ることから、現在も立ち入りを規制。
現場では29日午後も調査が続いていました。

隆起した道路のそばの地下で行われていたのは「シールドマシン」と呼ばれる筒状の掘削機を使ったトンネル工事です。
JR東海によりますと、当時、掘削機の先端は隆起が起きた現場から5メートルほど手前の地点を掘っていたといいます。

JR東海は29日午後3時半ごろ、決算会見を行い、「昨日の事象はリニア工事の直上で起きたということで、周辺の皆さまに大変ご心配をおかけしております。現在の状況は、私どもとしても因果関係を今しっかり調べている状況」と説明しました。