デビュー初日に勝利、17歳の挑戦

四国で唯一の競馬場である高知競馬。ここで今、愛媛県西条市出身の17歳の若き騎手が注目を集めている。近藤翔月騎手だ。近藤騎手はデビュー当日に勝利を挙げるという快挙を成し遂げ、わずか5レース目で初勝利を飾った。現在までに26勝を積み重ねており、高知競馬場の期待の新人として活躍の場を広げている。

「馬と話しながら、会話しながら乗ってます」と語る近藤騎手。「言い方が難しいですけど、馬と軽いコンタクトで乗れるところが自分のストロングポイントかなと思います」と自身の特徴を説明する。

「馬と話しながら、会話しながら乗ってます」
「馬と話しながら、会話しながら乗ってます」
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「どうしたら馬の全能力を発揮できるか」

高知競馬場・近藤翔月騎手:
「レースの中でどうしたら馬の全能力を発揮できるか。ここ走れば勝てれるのか、みたいなそういうのを考えながら乗ってるんですけど、自分が思った展開になって、勝てた時のうれしさっていう達成感とかはありますよね」

近藤騎手は、元騎手で現在調教師の宮川浩一さんの厩舎に所属している。

宮川浩一調教師:
「基本はしっかりしているなってすごいあったので、ちょっと上手になりそうだなっていうのが見えたので、あと面接した時もすごくいい顔をしていたので、そこはすごく評価してとりたいなと思いました。トップを取りたいって言えるぐらいの才能はあると思うので、誰からも信頼される、誰からも好かれるような騎手になってもらいたいと思います」

近藤騎手は調教師の宮川浩一さんの厩舎に所属
近藤騎手は調教師の宮川浩一さんの厩舎に所属

騎手を目指すきっかけは”父親と見た競馬”

近藤騎手が騎手を目指すきっかけは小学1年生の時。父親に連れられて競馬を見に行ったことでした。小学4年から松山市の乗馬クラブに通うと同時に騎手に必要な体作りにも取り組んだ。
その努力が実り、狭き門といわれる地方競馬の騎手を養成する学校に合格。2年間の養成過程を優秀な成績で卒業し、17歳で騎手デビューを果たした。

17歳で騎手デビューを果たした
17歳で騎手デビューを果たした

騎手の1日の始まりは午前2時

騎手の1日の始まりは午前2時。
近藤翔月騎手:
「これから馬乗ります。馬のトレーニングです。休みがないんでそこはしんどいですけどやりがいあるんで」

調教と呼ばれる馬のトレーニング。調教師は厩舎の経営と、管理する馬の出走計画を立てることが主な仕事で、実際の調教は騎手に任されることも多い。

調教と呼ばれる馬のトレーニング
調教と呼ばれる馬のトレーニング

多い日は20頭の調教で7時間以上馬に乗る

調教はその日の馬の調子や出走計画を確認しながら、1頭あたり30分ほど行う。

近藤翔月騎手:
「次のレースに向けて、どうやってやっていくかみたいなのを考えながら、大人しい馬もいればうるさい馬もいて、一頭一頭馬自体も考えてることがあったりして難しいですけど、どういうことを考えているかっていうのを、人間がちゃんと考えて馬に寄り添ってあげる」

明るくなった競馬場では多い日は20頭を超える馬に乗ることもあり、調教のため7時間以上乗り続けることも珍しくないそうです。

調教のため7時間以上乗り続けることも珍しくないそう
調教のため7時間以上乗り続けることも珍しくないそう

午前10時にようやく朝食と昼食を兼ねた食事

明るくなってきた午前10時。調教を終え向かったのは競馬場内にある関係者専用の食堂です。「いただきます」ここで朝食と昼食を兼ねた食事をとるのが近藤騎手の日課だ。

近藤翔月騎手:
「途中でお腹が空くことはないですね。大体1日2食が普通です。これからは昼寝して午後3時からまた作業があります」

午後3時、食後に4時間ほど寝た後は餌やりなど馬の世話をする。馬の世話が1日の最後の仕事。これが終わればプライベートタイムが待っている。

騎手は1日2食が普通
騎手は1日2食が普通

騎手の1日は変則的で多忙

明日の仕事に向けて騎手は思い思いに過ごし英気を養う。近藤騎手の1日を表にするとご覧の通り。一方、レースの日はこのようになります。休日は週に1度・月曜日。長期の休みもなく、変則的で多忙な生活ですが高知競馬ではいま、騎手に追い風が吹いているという。

宮川浩一調教師:
「今の高知競は僕たちが騎手してた頃と違って、売り上げもすごいありますし、賞金・手当もすごいよくなったので、普通の17歳って高校3年生からは考えられないほど収入もあります。(近藤騎手の収入は)今たぶん月70~80万は平均していってると思うので」

休日は週に1度・月曜日
休日は週に1度・月曜日

愛媛の子どもたちが憧れ、目標とする騎手になりたい

近藤翔月騎手:
「危険な仕事なんでね。いつケガするか、いつ亡くなってしまうか、そういうのがわからない仕事なので、危険なスポーツであるんですけど、本当にやりがいのある仕事だと僕は思ってるんで、高知競馬を代表できるような騎手になっていきたい」

愛媛の子どもたちが憧れ、目標とする騎手になりたい。夢を手にした17歳の挑戦が始まっている。

夢を手にした17歳の挑戦が始まっている
夢を手にした17歳の挑戦が始まっている
テレビ愛媛
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