南海トラフ地震に備え、高知県庁で大規模な訓練が行われました。スーパーコンピューターを活用した新たな防災のあり方も模索しています。

午前7時半の県庁。職員がほとんど出勤していない中、南海トラフ地震の訓練がスタート。足摺岬沖を震源とするマグニチュード9の地震が発生し、県内で最大震度7を観測。10mを超える津波が押し寄せる想定です。

県職員:
「高知県に大津波警報が発表されている。高知県に津波到達中」

玉井新平アナウンサー:
「訓練は早朝に南海トラフ地震が発生したという想定です。作戦室に災害対策本部が設置職員が緊急出勤し、自衛隊や消防職員もいる。各市町村の被害情報を集めています。地震津波に備えるという緊張感が伝わってきます」

訓練には関係機関から約470人が参加。浜田知事もジャージー姿で駆けつけ職員に指示を出します。

浜田知事:
「甚大な被害が予測される被害を最小限にとどめる」

内閣府は、南海トラフ地震・津波による高知の死者・行方不明者は最大4万6千人と想定しています。今回の訓練では、東日本大震災の教訓を受け東北大学が開発した津波の浸水被害を予測するシミュレーションも活用。地震発生の際、スーパーコンピューターで解析した津波の浸水の予測を地図上に示し、県や市町村に伝達します。

今回のシミュレーションでは、20分後には沿岸部に約3メートルの津波が到達し、3時間後には高知駅周辺まで浸水しています。初期段階で情報が入らない場合の、迅速な災害対応に役立てます。

また、国は2025年、南海トラフ地震における高知への災害応援のパートナーに島根や秋田を指定。

浜田知事:
「大川村、土佐町、南国市から東側の自治体について避難所の対口支援は秋田県さんにお願いして100名、西側、島根県は85名で調整したいと思います」

これを受け、両県の職員が初めて高知での訓練に参加し連携を確認していました。県はこの訓練を通じて南海トラフ地震がいつ起きても対応できるように対処能力を成長させていきたいとしています。

高知さんさんテレビ
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