2021年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた”推し活”。いま各地の自治体では、この推し活を支援することで”オシノミクス”を目論んでいる。

推し活で地域活性化を

お気に入りのアイドルやキャラクターなど、いわゆる“推し”を様々な形で応援する推し活。

2025年4月、浜松市役所にはアニメ・新世紀エヴァンゲリオンで主人公の碇シンジが操縦する初号機の立像が出現した。

聖地巡礼をしようと遠方からも連日多くのファンが訪れていて、中には山口県から来たという女性も…。

静岡県西部を走る天竜浜名湖鉄道・天竜二俣駅。

ここはシン・エヴァンゲリオン劇場版に登場する第3村のモデルになっていて、これをきっかけに浜松市とのコラボが始まった。

見学ツアーの様子(天竜二俣駅)
見学ツアーの様子(天竜二俣駅)
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毎日開催している車両基地の見学ツアーは平日でも大盛況で、参加者の視線を一身に浴びていたのが”ロンギヌスの槍”だ。

物語の重要なカギを握るアイテムということで、ファンの間で注目のスポットになっている。

名古屋から来た女性は「映画でこんな風だったなと思い出し、『おっ!すごい』と。転車台も初めて見たから良かった」と笑顔を見せた。

「ロンギヌスの槍」の写真を撮るファン
「ロンギヌスの槍」の写真を撮るファン

見学ツアーの参加者はこれまで鉄道ファンがほとんどだったが、2023年にロンギヌスの槍の展示が始まるとエヴァンゲリオンのファンが殺到。

申し込みの数はそれまでの2倍以上となるなど天浜線の魅力を広めることに役立っていて、松井宜正 社長は「より多くの人に昭和レトロ的な鉄道を知ってもらうきっかけになっていて、大歓迎している」と話す。

スタンプラリーするファン
スタンプラリーするファン

また、天竜浜名湖鉄道と浜松市はシン・ハママツ計画と題して、市内を周遊してもらうためのスタンプラリーを実施。

さらに、計画の一環として富士山静岡空港でラッピング飛行機の運行が始まるなど県内外に浜松の良さを知ってもらうための取り組みを進めていて、松井社長は「シン・ハママツ計画を通じて浜松の良さを知った人たちに、ぜひまた行ってみたいと思ってもらえる次年度以降にもつながる計画の推進をしていきたい」と意気込む。

ふるさと納税の返礼品も準備

一方、新たに推し活による経済波及効果を狙っているのが袋井市だ。

袋井市では11月1日からアニメ・アイドルマスターSideMに登場するユニットとのコラボが実現し、市のキャラクター・フッピーをイメージした衣装を着たメンバーのグッズを市内で販売することになっていて、大場規之 市長は「SideMやアイドルマスターファンはかなりいるので、そうした人たちに袋井に来てもらうことの経済効果や様々なイベントを通して、ファンが市とのつながりを深めていくことを期待している」と狙いを打ち明ける。

キャラクターグッズ類
キャラクターグッズ類

また、袋井市はグッズをふるさと納税の返礼品に採用することにしていて、大場市長は「グッズを通じて袋井市に愛着を持ってもらい、袋井市のファンになってもらうよう取り組みを広げていきたい」と”野望”を語った。

ラッピングバス(2019年三島市)
ラッピングバス(2019年三島市)

国や県もその経済効果に着目し、関連する施策に取り組んでいる推し活。新たな地域活性化の一手として今後ますます注目されそうだ。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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