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プレスリリース配信元:マイウェルボディ協議会

 マイウェルボディ協議会(代表幹事 田村好史:東京都文京区本郷、以下当協議会)と一般社団法人ラブテリ(代表理事 細川モモ:東京都中央区日本橋、以下ラブテリ)は、17歳から49歳までの日本人女性3,001名(非妊婦・授乳婦)のデータを解析し、不定愁訴(※1)の個数と栄養摂取状況の関連を明らかにしました。
(※1)不定愁訴:明確な病名や検査異常はないが、頭痛、倦怠感、冷え、不眠などの体調不良を訴える状態

■ 結果サマリー
1. 朝食摂取頻度:不定愁訴が少ない群は「ほぼ毎日朝食を食べる」割合が高い
2. 栄養素:不定愁訴が多い群は鉄・食物繊維・オメガ3系脂肪酸の摂取が少なく、ショ糖の摂取が多い
3. 食品群:不定愁訴が多い群は緑黄色野菜・根菜・魚類の摂取が少なく、洋菓子(特にクッキー・ビスケット)の摂取が多い
調査の背景
 2025年4月、日本肥満学会が新たな疾患概念「女性の低体重/低栄養症候群(FUS)」を提唱し、BMI 18.5未満の極端な痩せや低栄養が、骨密度の低下や月経異常、不妊、貧血、精神的な不調など、QOLの低下や次世代の健康も損なう可能性を示しました。FUSに含まれると提唱されているのは病院で診断される疾患だけでなく、頭痛・倦怠感・冷え・不眠といった幾つかの不定愁訴(症状)も含まれています。労働力人口総数に占める女性の割合が45.1%(※2)となった現在、女性の不定愁訴は仕事の生産性の低下を招き、経済損失につながるため、原因解明と対策が急務とされています。
 本調査は、当協議会の連携会員であるラブテリが、2014年から2022年にかけて全国各地で行った「測って・知って・学ぶ保育室」などのイベント会場で実施した体組成測定、食事調査(brief-type self-administered diet history questionnaire; BDHQ)、生活習慣に関するアンケートにより取得・蓄積したデータを再解析し、現代女性の栄養素摂取状況と不定愁訴の関連について検討したものです。
(※2)厚生労働省「令和5年版働く女性の実情」より
■ 調査概要
調査名:日本人女性の栄養素摂取量と不定愁訴の実態調査
調査期間:2025年8月15日~8月17日(解析実施期間)
調査方法:レトロスペクティブ研究
調査機関(主体):一般社団法人ラブテリ
調査対象:17歳~49歳までの日本人女性 3,001名(非妊婦・授乳婦)

内容
1. 不定愁訴の数と朝食摂取頻度

図1:不定愁訴の数と朝食摂取頻度

 
 働く女性の生活習慣の課題に「朝食欠食率の高さ」があります。ラブテリがこれまでに実施した調査では、勤務時間が長くなるほど朝食欠食率が高まり、鉄やカルシウムなどの栄養摂取状況が悪化することが明らかになっています。
 新たな調査対象者の回答から、11個の不定愁訴(疲れやすい、肩こり、冷え性、むくみ、肌荒れ、腰痛、便秘、頭痛、精神的なアップダウン、不眠、風邪を引きやすい)のうち、自覚している症状の個数を0-3個(Low, n=1,539)、4-7個(Middle, n=1,212)、8-11個(High, n=250)の3群に分けて群間を比較しました。3群間における朝食摂取頻度を見てみると、不定愁訴の個数が少ない群(Low)で「ほぼ毎日食べる」と回答した割合が70.1%と数値的に最も高くなりました。 (図1)。
2. 栄養素摂取量と不定愁訴の関係性
 

図2:不定愁訴の数と1,000kcalあたりの栄養素摂取量


 働く女性の食生活における課題は、朝食欠食・栄養の偏りに加えて、「ショ糖の摂取量が多い」ことが挙げられます。本調査においても、不定愁訴の3群についてBMIを調整して栄養素摂取量を比較すると、鉄(Middle, p<0.001; High, p=0.004)、食物繊維(Middle, p<0.001; High, p<0.001)、オメガ3系脂肪酸(Middle, p=0.003; High, p=0.007)において、不定愁訴の個数が少ないLow群と比較してMiddle およびHigh群で有意に摂取量が少なく、ショ糖(Middle, p<0.001; High, p=0.049)では有意に摂取量が多い結果となりました。定性調査では、「仕事中に満足な食事の時間が取れないので、デスクで無臭で食べられる菓子類で空腹をごまかしてしまう」「職場で菓子類が無料なので、つい食べてしまう」「ひとりで食べる食事が嫌なので、仕事中に菓子で済ませてしまう」という声がありました。
3. 食品摂取量と不定愁訴の関係性

図3. 不定愁訴の数と1,000kcalあたりの食品摂取量

 
 栄養素摂取量と同様に、3群における食品摂取量を比較すると、緑黄色野菜(Middle, p=0.015; High, p=0.005)、根菜類(Middle, p<0.001; High, p=0.001)、魚類(Middle, p=0.008; High, p=0.249)の摂取量がLow群と比較してMiddleおよびHigh群で低く、洋菓子(Middle, p<0.001; High, p=0.041)の摂取量が多いという結果になりました。食物繊維の摂取源は特に、にんじん、かぼちゃ、緑葉野菜を含む緑黄色野菜と、大根やかぶを含む根菜類であることが示唆されました。また、不定愁訴が多い群では菓子類の中でも特にクッキーやビスケットを含む洋菓子の摂取量が多いことが明らかとなりました。
 食物繊維は、便秘の予防だけでなく、肥満抑制や腸内環境を整える働きなど、健康面や体型に与える影響があり、近年では睡眠の質への影響が注目されています。先行調査でも、食物繊維の摂取量と睡眠の質は関連するにも関わらず、働く女性において満たすことが難しいのが食物繊維であることを明らかとなっています(※3, 4)。
(※3) Polianovskaia et al. Front Nutr. 2024 Feb 6;11:1239580.
(※4) Wright BN, et al. J Acad Nutr Diet. 2020 Sep;120(9):1457-1468.
まとめ
 17歳から49歳の日本人女性(非妊婦授乳婦)3,001名のデータを解析したところ、不定愁訴の数が多い群ほど、鉄をはじめとする微量ミネラル、オメガ3系脂肪酸、食物繊維の摂取が少なく、ショ糖の摂取が多いことが明らかとなりました。また、朝食摂取頻度が少ないこと、野菜や魚の摂取が少ないこと、洋菓子の摂取が多いことも、不定愁訴の多さと関連していたことより、このような食習慣がエネルギー摂取量不足と栄養バランスの乱れを生じさせ、不定愁訴を増やしたのかもしれません。
 実際に過去の研究から、鉄分の不足により貧血となり、倦怠感が生じやすくなること、魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸の摂取によりうつ症状が軽減すること、食物繊維が少なく、糖質摂取量が多いと睡眠が浅くなりやすいこと、エネルギーの不足により体温が低下し倦怠感も出現すること、などが示唆されています。
 今回の調査から食習慣と不定愁訴の因果関係は明らかとなっていませんが、このような不定愁訴の背景には低栄養が隠れている可能性があり、不定愁訴が多い方は食事内容を見直す機会として頂くのが良いかもしれません。
【一般社団法人ラブテリについて】
 2009 年に女性と次世代の健康増進(プレコンセプションケア)を活動目的とし、代表の細川モモの呼びかけにより日米の専門家で発足。「研究」「啓蒙(保健室)」「共創」「医療」「ビッグデータ」の5本柱を有し、12 都道府県で保健室を実施(東京・京都は産学官モデル)。参加者述べ 7,000 名のデータを解析し、働く女性の健康課題や生理痛の解明に取り組み、学会発表・論文発表も手がける。多くの企業と共創し、100 万ダウンロード突破の月経管理アプリや栄養強化食品等の商品開発・監修も意欲的に行なっている。24 年より内閣府の<SIP~戦略的イノベーション想像プログラム~>の女性の健康領域において社会実装領域を担当している。2025年6月には大阪・関西万博 関西パビリオン多目的エリアにて「Women’s Heath Week」を主催。
 「第13回 健康寿命をのばそう! アワード/厚生労働省 健康・生活衛生局長 優良賞」「日本栄養士会 84selection」「人気育児雑誌6媒体が選ぶ/ペアレンティングアワード 2018 ※2020 再ノミネート」を受賞。
Website: https://www.luvtelli.com

マイウェルボディ協議会について】
 マイウェルボディ協議会は人生100年時代において、誰もが自分らしく健康な身体=“ウェルボディ”を選択できる社会の実現を目指す産官学の協議会です。2023年に設立され、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「包摂的コミュニティープラットフォームの構築」の一環として、「女性のボディイメージと健康改善のための研究開発」を背景に活動を開始しました。誰もが健康な心と身体について学び、自分に合ったウェルボディを選び、それが尊重される社会を目指して取り組んでいます。





協議会公式webサイト: https://mywellbody.jp/
協議会公式Xアカウント: https://x.com/mywellbody
協議会公式Instagramアカウント: https://www.instagram.com/mywellbody_official/
協議会公式TikTokアカウント: https://www.tiktok.com/@mywellbody_official
協議会公式YouTube: https://www.youtube.com/@MyWellBody

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