デリバリーとテイクアウトの専門店

おなじみの黄色に赤の看板に、「宅配」の文字。
10月12日、東京・新宿にオープンしたのは、大手ファミレスチェーン「デニーズ」初のデリバリーとテイクアウトの専門店。

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店内には客席はなく、広さは従来の店舗のおよそ4分の1ほどと小型化。
賃料などのコストも、大幅に下げられているという。

利用客A:
店頭に行って食べるのはまだ抵抗があるので、テイクアウトで持ち出して、家や会社で食べられるのはいい。

利用客B:
唐揚げとか実店舗にない商品だなと思ったので、ちょっと今度頼んでみたい。

メニューは、通常の店舗の半分ほどのおよそ60種類と、人気のものに厳選。
女性が好むサラダを充実させたほか、パエリアや唐揚げなど、ここでしか買えないものを店内で調理。

ランチ限定で、600円台の日替わり弁当も5種類ほど販売する。

ファミリーレストランの売り上げは、緊急事態宣言解除後、徐々に回復しつつあるものの、8月は前の年に比べ75.1%と、まだまだ厳しい状況が続いている。

こうした中、宅配とテイクアウトの専門店を立ち上げる狙いは。

セブン&アイ・フードシステムズ 山本裕輔取締役執行役員:
やはり街のレストランだけでなく、テイクアウトや宅配、さまざまな客のニーズに対応した展開が必要だと。今まで取り切れなかった客を取り込むことで、全体的な売上のアップにつながると考えています。

山本裕輔取締役執行役員

単身世帯が62.2%の立地に商機

今回の店舗は、周囲にビルやマンションが立ち並び、近隣にはコンビニエンスストアも多く並んでいる場所。この立地にも商機があると考えている。

セブン&アイ・フードシステムズ  山本取締役執行役員:
われわれが目指すところのテイクアウト、宅配ニーズが高い単身世帯が人口の62.2%。ここがまさに狙い所であると。コンビニが非常に多いので、それだけランチニーズ・持ち帰りニーズが強い。数ある店舗の候補からここを選んだ。

デニーズの宅配部門は、コロナの影響が拡大したあとも売り上げが落ちずに安定していることから、従来の宅配部門を通常店舗と切り離すことで、混雑時のオペレーションの質を上げ、客の満足度を上げる狙いも。

2021年2月までに、都内を中心に5店舗ほどの出店を目指す。

サイゼリヤやモスバーガーも

9月には、サイゼリヤが従来の6割程度の広さの小型店を出店すると明らかにしたほか、モスバーガーがイートインをなくした持ち帰り専門店を8月にオープンするなど、店舗の小型化や“中食化”が進む外食産業。

withコロナの時代を生き抜く取り組みは、今後も広がりを見せるとみられる。

常識を打ち破る新たなビジネスチャンス

三田友梨佳キャスター:
早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに聞きます。このニュースをどうご覧になりますか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
工事中の店舗を見たのですが、今までファミレスが出店できないような場所にも出店できる、ファミレスにとって新たなビジネスチャンスだと思います。

コロナ以降、外食産業は極めて厳しい状況に置かれていますが、フードデリバリーだとかクラウドキッチンだとか新たな業態の外食産業が生まれてきています。

環境が変わるということは新たなビジネスのチャンスだと言えます。
ですので、環境の変化をピンチだと悲観的に捉えるのではなくて、今までの常識を打ち破る新たなビジネスのチャンスだと捉えることができると思います。

三田友梨佳キャスター:
そういう視点で考えると今回のデニーズの試みはどう思われますか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
ファミレスはテーブルがあって食事をしに行く場所だという常識を打ち破ったところが面白いと思います。お客さんの側から見ても、これまではこれを食べたかったらお店に行かなくてはいけない、しかし、これからは行かなくても食べられるわけです。

コロナの後の様々な変化の中で、今までどこかに行かないとできないという状況が変わってきています。リモートワークもそうです。行かないと仕事ができない、行かないと食べられないではなくて、どこでも好きな場所で仕事ができて、食事ができるという新たなライフスタイルに新たなビジネスチャンスが潜んでいて、それをいかに活かすかが今の時代を生き残るカギになるのではないでしょうか。

三田友梨佳キャスター:
大手であっても世の中の変化にはスピードを持って対応することが必要だということですね。

(「Live News α」10月12日放送分)