将棋界、最高峰の戦い竜王戦第2局が16日、17日にあわら市で開かれ、藤井聡太竜王が佐々木勇気八段に勝利しました。熱戦の翌日には2人がそろって温泉街を楽しんだりファンと交流したりする姿も見られました。竜王戦で沸いたあわらを取材しました。
 
対局から一夜明けた18日、あわら温泉の「芦湯」で湯に足をつけながら藤井竜王と佐々木八段がインタビューに応じました。
  
藤井聡太竜王:
「2回目の竜王戦だからこそ、福井の皆さんの温かさを感じた」
 
佐々木勇気八段:
「藤井竜王の作戦に付いていけるように自分も力をつけないといけない」

去年に続き、あわら温泉「美松」で行われた竜王戦第2局。16日午前9時過ぎから
始まった対局は藤井竜王が終始、優位に進め、2日目の午後2時13分に佐々木八段が68手と少ない手数で投了するスピード決着となりました。
 
藤井竜王はシリーズ2連勝とし、竜王戦5連覇へ大きく前進しました。
 
対局会場となった温泉旅館「美松」の前田健二社長は「無事終えることができてほっとしている。勝負めし、勝負おやつは去年も今年も大行列になったと聞いて、竜王戦を誘致したことが地域の活性化につながっていると実感できた」と話しました。
 
2人の棋士が対局中に食べる勝負めし、おやつ、ドリンク合わせて45品は、この日のために地元の飲食店が新たに開発。藤井竜王は、対局1日目の昼食に、地元産のしょうゆを使った「自家製だれのカツ丼」をチョイス。
 
選ばれた飲食店の店主は「本当にうれしい。言葉には表せない。一人でガッツポーズした」と喜びを語りました。
 
藤井竜王は勝負めしについて「どれを食べようか迷いつつも楽しく選んだ」と振り返りました。

竜王戦第2局から一夜明けた18日、芦原温泉駅西口のにぎわい施設「アフレア」では子供向けの運動遊びのイベントが開かれ、竜王戦にちなみ巨大な将棋の駒で将棋崩しを楽しむコーナーもお目見えしました。
 
また、勝負めしが味わえるキッチンカーも登場しました。
 
訪れた人は「思っていたよりも竜王戦でにぎわっていたのでびっくりした。キッチンカーで、珍しいなと思って選んだ」と楽しんでいる様子でした。
 
挑戦者・佐々木八段が対局2日目の昼に選んだタコスは、地元産のトマト「越のルビー」を使ったサルサソースを使用しています。店主は「電話がかかってきた時はうれしかった。あわらがにぎやかになって欲しいし、佐々木八段に頑張ってほしい」と語りました。 

また、竜王戦に立会人や解説者として携わったプロの棋士と対戦できるブースも人気で「プロにハンデはあったけれど、勝ててうれしかった。これからも竜王戦など将棋のタイトル戦をもっとやってほしい」という声も聞かれました。
    
プロに挑戦した地元・金津高校の将棋部員は―
「プロは強かった。4枚落ちで戦ったが全然歯が立たずボコボコにされた」
  
するとその時、会場に藤井竜王と佐々木八段がサプライズで登場。
  
対局後もあわらを盛り上げ、訪れた人たちと笑顔で交流しました。
 
対局を見届けた人やイベントに参加した人など、竜王戦を通じて熱気に包まれたあわら市。 「将棋がこのまちに根づいていく」、そんな期待を抱かせる週末となりました。
  
佐々木八段は「こんなに竜王戦が注目されることはない。ぜひ若手棋士の勉強会を福井で開きたい」とも語っていました。

福井テレビ
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