10月に入り始まった飲料や加工食品を中心とした3000品目以上の飲食料品の値上げ。スーパーマーケットや買い物客からは苦悩の声が聞かれる中、節約アドバイザーの丸山晴美さんに買い物テクニックについて取材した。

■3024品目値上げに悲鳴
民間の信用調査会社・帝国データバンクによると、主な食品メーカー195社における10月の飲食料品の値上げは3024品目。
このうち酒類・飲料が2262品目で、パックご飯などの加工食品が340品目、味噌や焼き肉のたれなどの調味料が246品目となっている。
街で話しを聞くと、スーパーを複数件まわり、より安い商品を探す人や、嗜好品を我慢したり、まとめ買いをして冷凍したりしながら乗り切っているという人も見られた。
政府による電気・ガス代の補助金も9月で終わるなどさらに追い打ちをかける食料品の値上げ…

■買い物テクニック3つのポイント
街の人はそれぞれに買い物の工夫を行っていたが、長岡市出身の節約アドバイザー・丸山晴美さんは買い物をする際には3つのポイントがあると話す。
「お腹が空いていると余計なものを買ってしまいがち。また、家族連れで行くと必要以上に買って出費が増えがち。予算を決めていないと、余計なものまで買ってしまいがちなので、ムダの少ない買い物の基本は、空腹時を避けてひとりで予算を持っていく」
スーパーなど買い物に行く際には、3つのポイントを守ることで、余計な出費が減るという。
・お腹が空いている時に行かない
・買い物には1人で行く
・予算を決めて行く

■買い物は“午前”がおススメ そのワケは?
さらに買い物にオススメしたい時間もあるという。それが、「午前中」の時間帯だ。
その理由は、「朝起きてからが一番判断能力が高いと言われている。午前中であれば、あまりお腹も空いていないので、必要な分を必要なだけ優先順位を考えながら買える。忙しい人は土日の午前中を狙って欲しい。日曜の午前中のみ日曜朝市といった特売をしている店も多い」
スーパーなどは閉店間際や夜に行くとお弁当やお惣菜などに割引シールが貼られており、お得なイメージもあるが、自炊をする人は、数量限定の特売品や状態のよい見切り品など品揃えがよい午前中にいくのがオススメだという。
また、丸山さんは3日に1回の「プチまとめ買い」を勧める。
「1週間分をまとめ買いしたものを無駄なく使い切るのは、かなりテクニックが必要。毎日行くと出費が増えがちなので、3日に1回くらいのプチまとめ買いが個人的にはオススメ。」

■鍵を握る“レシート”
そして、無駄な買い物をしないためにはレシートがカギを握る。
丸山さんは「1日5分でもいいので、その日買ったレシートを見る。そうすると『これいらなかったな』とか、『ここに寄らなければよかったな』とかいろいろ反省点が出てくる」と話す。
1日5分レシートを見て、反省することが習慣化できた場合、次に1週間分のレシートを取っておくといいという。1週間後、必要かつ安く買えたものに○、買う場所など工夫すればもう少し安くできたものには△、買わなくても良かったものには×を付けることで、その週の×の合計×4週分が1カ月分のおおよそ無駄遣いの額になるという。
「×が多くつく店や時間帯を分析することで、自分の買い物の弱点に気づくことができる。弱点に気づけば、買い物上手になれる」
また、買い物をしたレシートを冷蔵庫に貼っておくことで、在庫管理表にもなるとのアドバイスも。私たちの家計を直撃する飲食料品の値上げ。うまく生活を乗り切るためにも買い物の際の一工夫が大切になりそうだ。
丸山晴美さん
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。
著書・監修書は『「大人のおしゃれ手帖」特別編集年間100万円!がんばらなくても貯まるお金の習慣』『InRed特別編集シングル生活を最高に楽しむ!お金と上手に暮らす本』(ともに宝島社)など多数