相次ぐSNSを使ったロマンス詐欺を撲滅しようと、岐阜県警の警察官4人が“昭和歌謡”で注意を呼び掛けるユニット「断絶」を結成しました。およそ2カ月に及ぶ練習を重ね、10月15日、待望のデビューを果たしました。
■ロマンス詐欺「断絶」へ…警察官が“衝撃デビュー”
岐阜市で15日、男性4人組のユニットが鮮烈なデビューを果たしました。目元を覆うカラフルなマスクに、ド派手な衣装が昭和の香りを漂わせます。

実は彼らは岐阜県警の警察官で、相次ぐロマンス詐欺を撲滅しようと結成された「純烈」ならぬ「断絶」です。デビュー曲「さよなら、ロマンス」は、昭和の歌謡曲を思わせるメロディーに乗せて、「甘い言葉には罠がある」と呼びかけます。
<歌詞>
「でも急に あなたは言う 『お金を貸して助けてほしい』
その時に気づいてほしい そんなこと そんなこと 言わない 本当の愛は」
4人は留置管理課に勤務する24歳から44歳の警察官で、岐阜県警の音楽隊でも活動しています。「断絶」のメンバーに選ばれ、2カ月前から練習を重ねてきました。

岐阜県内では、SNSを通じて相手に恋愛感情を抱かせ、投資話を持ちかける「ロマンス詐欺」が急増しています。2025年8月末までの被害件数は108件、去年の同じ時期のおよそ1.7倍で、被害総額はあわせて約5億8000万円に及びます。
こうした被害を防ごうと、中高年にも馴染みの深い“昭和歌謡”で、被害を「断絶」しようというのです。
■緊張のデビュー初日 今後は「銭湯アイドル」に!?
「断絶」のデビューの舞台は、15日に行われた「岐阜県安全・安心まちづくり県民大会」です。
本番前、メンバーたちは緊張で落ち着かない様子ですが、ステージに上がると、甘い歌声を響かせます。

<歌詞>
「愛してる あなたを 守りたい
だけど信じちゃいけない 会ったこともないあなたを
お金を渡しちゃいけません
その優しさ罠かも 危ない ロマンス詐欺よ」
同僚の音楽隊員も、アイドルを応援するかのように、うちわを手に盛り上げます。

見に来た人:
「純烈かな?と思ったらそうじゃなくて、歌声も良かったのでかなり売れるんじゃない?」
作詞・作曲を担当した、岐阜県警音楽隊の大森恒司楽長は…。
大森楽長:
「強いて言えば、純烈さんに近い形に最終的になった。“紅白”行きますか!」
メンバー:
「幅広い年齢層で人が集まる場所。温泉や銭湯でいつか歌ってみたい」

デビューは大成功、ロマンス詐欺の「断絶」へ、夢は膨らみます。