東京都は2024年、弾道ミサイル攻撃などに備えて、都営地下鉄大江戸線・麻布十番駅に「地下シェルター」を整備する方針を発表したが、その進捗状況について都の担当者を取材した。
この地下シェルターは、駅併設の防災備蓄倉庫を長期間滞在可能なシェルターに整備するもの。
東京都は国の内閣官房と連携しながらどのようなシェルターにするかの検討を重ねてきたが、ようやく2025年度内に設計がおわり、2025年度末から一部設備の撤去作業などを始める予定とのことだ。
現時点のイメージでは、一定期間滞在できるように、簡易ベッドを配置するほか、水・食料、非常用電源のほかに、換気設備も備える予定だという。
換気設備については、都の担当者は新鮮な空気の入れ替えのためと説明するが、東京都が実施しているミサイル着弾時の避難訓練では化学兵器が使用された状況での訓練も行われているため、化学兵器対策も念頭にいれた換気設備にしたほうがベターではないだろうか。
9月25日、東京都の小池都知事は、「日本核シェルター協会フォーラム2025」に出席し、「今、世界は大変荒れている。ウクライナ侵攻から中東情勢、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮など、様々な危機に取り囲まれているわが国において、どうやって国民・都民の命を守るのかが一番重要なポイント。私もかねてから『首都防衛』を念頭に、都政運営を続けている。麻布十番の駅に併設している防災倉庫があり、より安全に避難できる施設の整備を急いでいる」と述べた。
政府も、2025年度中にシェルターの仕様などを定めて、自治体とともに全国にシェルターの整備を進めていく考えだ。
東京都は、こうした政府の動きと連動しながら、弾道ミサイルから市民の命を守る地下シェルターの整備を進めている。