プレスリリース配信元:コロプラ
~社員活用率90%超、3人に1人が業務量半減を実感――その具体策とは~
株式会社コロプラ(代表取締役社長 上席執行役員 CEO:宮本貴志、本社:東京都港区、以下当社)では、「最新のテクノロジーと、独創的なアイデアで“新しい体験”を届ける」というビジョン(VISION)を掲げ、AI技術の社内浸透においてもいち早く取り入れるべく、様々な施策を行ってまいりました。
生成AIをはじめとするAIツールの導入が世界中で加速しています。一方、日本国内においては多くの企業でまだまだ導入が遅れているとあらゆるメディアでも指摘されています。総務省が7月に発表した「情報通信白書」(2024年度調査)※によれば、日本で生成AIを活用する方針を定めている企業の比率は約50%弱にとどまります。2023年度調査より増加したものの、アメリカや中国がともに80%を超えている状況を比べると差は大きく、ChatGPTやGeminiの登場で個人利用は広がっているものの、技術・産業面では世界のAI先進国に遅れを取っているのが現状です。
※「情報通信白書」(2024年度調査):https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/summary/summary01.pdf
当社では、こうした導入の壁を乗り越えるために段階的なAI浸透モデルを構築。現在では社員の9割以上がAIを業務に活用し、3人に1人が業務量半減を実感するまでに至りました。本ニュースレターでは、当社が策定した「AI成熟度モデル」と、社員の心理変化を可視化する「心理的浸透度モデル」、さらに企業が踏むべきステップを、具体的なデータや事例を交えて紹介します。これらのモデルは、企業の規模や業種を問わず、AI導入・活用を検討されている多くの企業にとって、自社の状況を客観的に把握し、次の一手を考える上での有効なフレームワークとしてご活用いただけるでしょう。
社員アンケートで見えたAI活用の現状
コロプラではいち早くAIを業務でどのように活用していくかという方向性をテーマとして掲げ、2022年頃から社内でのAI活用推進が本格的に始まりました。そして現在では社内におけるAI活用は高いレベルで浸透しており、すでに「あって当たり前の文化」として根付きつつあります。9月に実施したAI活用に関する社内アンケートでは、回答者の92%が何らかの形で業務にAIを活用しており、そのうち半数以上は“ほぼ毎日”活用しています。さらに「週に数回以上」の回答者を含めるとその数字は85%を超え、活用率の高さに加え、利用頻度の高さも確認されました。

その活用度の高さの裏には、社員個人の業務効率化に対する実感の高さがあります。活用者の30%以上が「業務量50%以上の削減を実感」しており、まさに“AIを使うことで「作業時間が半分以下になった」と感じる社員が3人に1人以上いる”計算。AIを活用することで、日々の業務効率化に大きく貢献していることがこのデータから明らかになりました。

ここまでAI活用を社内に浸透させることができたのは、様々なステップや仕組みを段階的に整え、現場の業務フローに自然に組み込んできたからです。AI活用を「段階」で捉え、社員の心理に寄り添って広げていく。次にその具体的なモデルやステップをご紹介します。
AI活用を整理する「5段階の成熟度モデル」
まず当社では一般的なAI成熟度モデルとして、5段階のレベルを設定しています。
【レベル1】認識(Awareness):AIの可能性を認識し始める
【レベル2】探索(Active):パイロットプロジェクトや小規模な実験を開始する
【レベル3】運用(Operational):特定業務でAIを本格運用する
【レベル4】体系化(Systemic):組織全体でAIを体系的に活用していく
【レベル5】変革(Transformational):AIがビジネスモデルを変革
多くの場合、「レベル2:探索」の個人での試験的なAI活用までは進むものの、業務における本格導入である「レベル3:運用」の壁を越えられずに止まりがちです。ここで止まってしまうと、その後の「レベル4:体系化」の組織運営に入る手前で止まってしまうため、企業としての活用方針を定める前段階でAI活用が進みません。
AI導入の「4ステップ」と社員の心理を整理する「6段階モデル」
そこで当社はAIを根づかせるための「導入」にも、段階的な4つのステップを構築しました。
この導入ステップを妨げる大きな理由は「心理的な抵抗」です。
そこで当社は、社員の心理状態を読み解くべく、AIに対する6つの「心理的浸透度モデル」を構築し、各社員のAIに対するスタンスを整理しました。

このモデルをベースに、社員が今AIに対して、どの心理的段階にいるかを知ることが、AI導入を成功させる第一歩です。その心理状態の主な評価指標例は下記です。
・AI関連の研修参加率
・AIツール利用率(部門別・年齢層別)
・AI活用による業務改善提案数
・経営層のAIに関する発言頻度
・AI投資額の対売上高比率
当社では役職者(マネージャー以上)のAI活用率はほぼ100%と非常に高く、役職者が率先して活用する姿勢が、非役職者にも広がりをもたらし、社内全体の推進力となっています。また広報発信やコミュニケーション施策も重要です。様々な職種の「AIを使ってみた」という声をSlackチャンネルや人事主体のAI勉強会やLT会といったイベントを通じて共有。さらに経営層が活用の方向性やガイドラインを明確に示すことで心理的な抵抗感を和らげ、「トップダウン」「ボトムアップ」「ミドルアップダウン」といった多方向からのアプローチ戦略により、AI体験のハードルを下げながら、社内におけるAI活用の浸透を後押ししてきました。
その結果、2025年9月現在では社員の心理フェーズとして、活用者の4分の1が「革新期」にあると自覚し、AI活用の初期段階である「受容期」は10%以下にとどまるなど、多くの社員が積極的に活用していることが示されています。まだこれからの活用が期待される社員も一部見受けられますが、社内全般に「AIを使うのが当たり前」という雰囲気が醸成されており、「抵抗期」「傍観期」の社員も自然と次のステップに進んでいく流れができつつあります。これからはさらに一人ひとりが自らの業務にAIをどう取り入れるかを考え、実践を重ねていくことで、より高いレベルの活用と新たな価値創出につなげていきたいと考えています。

AIが支える“唯一無二の体験”と日常への浸透
AI浸透に必要なのは技術だけではなく、社員一人ひとりの理解です。全員が「自分に関係がある」と感じ、心理的な段階を踏みながら活用を進めていくことで、AIは“特別な存在”から“日常業務を支える道具”へと変わります。コロプラでは、AIを単なる効率化ツールではなく「新しい体験」を創出する手段と捉え、ゲームシステムにも積極的に組み込んでいます。『Brilliantcrypto』ではAIが採掘された宝石の名称や背景ストーリー、ゲーム内ニュースの映像・音声を自動生成し、ユーザー体験の幅を広げました。また、『神魔狩りのツクヨミ』は生成AIを体験の軸とした挑戦作で、希代のゲームクリエイター・金子一馬の画風を学習した独自AI「AIカネコ」を搭載。プレイヤーの行動ログを参照し「世界に一つのカード」をリアルタイムで創り出すことで、唯一無二の体験の提供に成功し、ユーザー間のコミュニケーションを促進する革新的なゲームプレイを実現しました。
さらに今年9月で6周年を迎えた『ドラゴンクエストウォーク』では、新機能“もぐもぐの書 ~たべたんです~”が登場。日々の“しょくじ”を撮影すると、AIによる画像解析で摂取カロリーが記録できるようになり、健康管理のサポート機能としてユーザーの日常に寄り添う新しい価値を提供しています。
これらの取り組みは、AIが単なる補助ツールではなく、人の創造性を後押しし、新しい体験や価値を生み出す可能性を秘めていることを示しています。当社は今後も、AIとクリエイターの力を最大限に掛け合わせ、ゲームの可能性をさらに広げていくとともに、AI活用の定着プロセスを共有することで、産業全体の生産性向上と創造性拡張に貢献していきます。
【株式会社コロプラ 会社概要】

コロプラは、GPSを活用した世界初の位置ゲー*『コロニーな生活』をはじめ、指一本で本格的なアクションゲームを可能にした『白猫プロジェクト』、AIを活用した生成ゲーム『神魔狩りのツクヨミ』など、ジャンルを問わず"新しい体験"、いわば"祖"となるコンテンツを創出してきました。
今後もコロプラは、「"Entertainment in Real Life" エンターテインメントで日常をより楽しく、より素晴らしく」をミッションに掲げ、"新しい体験"を提供していきます。
社名:株式会社コロプラ https://colopl.co.jp/
所在地:東京都港区赤坂9-7-2 ミッドタウン・イースト5F・6F
設立:2008年10月1日
代表者:代表取締役社長 上席執行役員 CEO 宮本貴志
事業内容:スマートフォンゲーム、コンシューマーゲームの開発・提供/XR、メタバース、ブロックチェーンゲームの開発・提供/ライブ・エンターテインメント周辺事業およびサービスの提供/国内外の未上場企業への投資およびファンド運用
公式X:https://x.com/colopl_pr
公式Facebook:https://www.facebook.com/coloplinc/
公式LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/colopl-inc-/mycompany/
*位置ゲー、コロプラおよびコロプラロゴは株式会社コロプラの登録商標であり、世界初表記は自社調査に基づきます。
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