中国の大型連休「国慶節」が10月1日から始まった。福岡を訪れた観光客に過ごし方を聞いてみると最新のトレンドが見えてきた。

福岡の旅行検索数 前年3倍以上に

中国の建国記念日にあたる国慶節は、2025年は例年よりも長い8連休となり、中国当局の予測では、述べ約23億6千万人が旅行や帰省のため移動する見込みだ。中国の大手旅行予約サイトによると、海外旅行の行き先として一番人気は日本で、特に福岡は検索数が前年の3倍以上に伸びているという。

福岡空港国際線到着ロビー(10月1日)
福岡空港国際線到着ロビー(10月1日)
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飛行機から降り立ったばかりの福岡空港で、来福の目的を聞いた。家族旅行で来た女性は「家族と一緒に水族館、水族館」と『マリンワールド海の中道』の水族館に行くという。

またスーツケースに日本のバンドのステッカーを張った男性もいた。

「『ずとまよ』。日本のバンドです。今回のコンサートの場所は、福岡のサンパレスです。晩御飯はトリ鍋に。(水炊き?)そうそう、すごく楽しみです」と応えた。

場所を変え、福岡の食が集う柳橋連合市場で聞いた。3人組の女性は「『一蘭』のラーメンを食べに行きます。中国のSNSでは『一蘭』が、福岡ナンバーワンのラーメンだと有名です。福岡旅行では欠かせません」。

また母親のバースデー旅行で福岡に来たという男性は「昨日は福岡タワーに夜景を見に行きました。とても美しかった」(男性)と福岡を満喫しているようすだった。

旅行の大きな目的は『美容』

一方、少し意外な目的で日本を訪れている女性もいた。「私は、肌のレーザー治療を受けるため日本に来ました。中国の若者の間では日本の美容クリニックの人気が高いんです。友人も、スキンケアのため毎月、日本に訪れています」のだという。

実は最近、来日する中国人の一部で、美容が大きな目的のひとつになっているのだ。中国のSNSには、たくさんの書き込みがみられる。

『日本語がわからなくても問題なし』

『通常44万円のところ年末は27万円まで割引』

福岡市中央区にある『薬院天神南さくらクリニック』にも国慶節を利用して来日した中国人の女性が訪れていた。このクリニックでは、リフトアップやシミの除去など美容医療を目的とした中国人の患者が増えていて、患者の約7割が中国人だという。

なかには「日帰り」の旅行感覚で施術に訪れる人もいるそうだ。

「中国では健康被害の恐れも…」

クリニック院長の波多江桜さんは「日本の医療の信頼度が、かなり中国では高いので」と話す。中国では美容医療において深刻な健康被害が発生するケースもあり、日本の医療技術に対する信頼の高さが人気につながっているというのだ。

「中国の医療に関しては、ときどき安い施術になると怪しいところがありますので。日本は、薬も偽物が少ないので、安心して美容施術を受けて頂く環境が揃っています」(『薬院天神南さくらクリニック』波多江桜院長)。

23億人が大移動する中国の大型連休。高い満足感を求めて来日する多くの中国人観光客。福岡の観光関係者からも熱い視線が注がれている。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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