28日、イギリス・ロンドンの街に鳴り響いたデモ隊のシュプレヒコール。

それは「中国の“メガ大使館”は出て行け!」というもの。

こうしたスローガンは他にも見られ、「大使館の仮面をかぶった巨大監視所」、さらにはクマのイラストとともに「中国の“国境を越えた弾圧”にノー」の文字も。

デモの参加者が猛反発しているもの、それは、街中で進む中国の“メガ大使館”建設計画です。

その場所は、イギリスの首都ロンドンの中心部。
タワーブリッジやロンドン塔など著名な観光地のすぐそばにあり、広さは約2万平方メートル、サッカー場約3つ分です。

建設されればヨーロッパ最大級の大使館となる、中国大使館の候補地。
実はここ、もともとはイギリス王立の造幣局があった場所です。

壁の高さは8~10メートルはあるように見えます。

こうした旧造幣局の外壁や中の建物を一部改修・増築するというメガ大使館計画。

中国大使館の職員とも話したという周辺住民は、FNNの取材に次のような不安を口にしました。

中国大使館候補地の周辺に住む人:
私たちが懸念しているのはプライバシーの問題です。60台以上のカメラで監視されることになるからです。監視カメラの場所について、大使館は教えてくれません。“安全上の問題だ”と言ってね。

イギリスメディアも、この場所がロンドン市内の企業の機密データを運ぶ通信ケーブルにアクセスできる可能性などを問題視。

さらに、ここを拠点に中国当局がスパイ活動を行ったり、香港をめぐる民主化運動への監視を強めるのではとの懸念が拡大。

香港から移住した民主活動家らも加わり、大規模なデモが行われたのです。

香港出身・デモ主催者:
私たちが本当に恐れているのは、国境を越えた検閲や抑圧です。

この中国メガ大使館建設について、イギリス政府は最終的な判断を10月下旬に行うとしています。