長年「県民のビール」として親しまれてきたオリオンビールが25日、東京証券取引所に上場しました。
県内の製造業としては初めての上場で、村野一社長は初心を忘れずこれからも沖縄のために尽くしていきたいと意気込みを語りました。

25日、東京証券取引所で行われたセレモニーでは、村野一社長が上場通知書を受け取りました。

このあと関係者が「五穀豊穣」に由来して鐘を合わせて5回打ち鳴らしました。

オリオンビールが上場したのは3つある市場区分のうち、株式時価総額100億円以上の大企業が集まる「プライム市場」で、県内の製造業では初めてです。

オリオンビールは今回の上場を足掛かりに、知名度やブランド価値を高め、売り上げが伸びているアメリカや台湾などの海外の市場開拓、販売強化などを図ります。

午前9時の取引開始直後から買い注文が膨らみ、初値が付かない状態が続きましたが、午後2時まえ、売り出し価格の850円を千円あまり上回る1863円が付き、市場の高い期待が示されました。

オリオンビール 村野一社長:
オリオンビールが(県内の)製造業で初めて上場を果たすことができました。これで世界に打って出ます。初心を忘れずにこれからも県のために尽くしていきたいと考えています

沖縄がアメリカ軍統治下にあった1957年に創業したオリオンビール。

戦後復興のシンボルとしてオリオンブランドは県民に欠かせない存在となり、県経済にも大きく貢献してきました。

2019年には、野村ホールディングスとアメリカの投資ファンドカーライル・グループが買収。

地元を代表する企業の買収劇に衝撃が走りましたが、それでも新商品の開発に力を入れるなど、収益力の向上とオリオンブランドの強化を図ってきました。

コロナ禍を経て復活した観光業の追い風を受け、前年度のグループ全体の決算は過去最高の売上高288億円とV字回復を遂げ、ホテルなどの観光事業のほか、グッズライセンス事業も新たな収益の柱に成長しています。

オリオンビール、上場初日の終値は1950円に達しました。

村野社長は「一丁目一番地は県民に愛されるブレンドであり、沖縄の魅力ゆえの高い評価だった」と強調しました。

オリオンビール 村野一社長:
想定以上のご評価をいただけたと思っております。私たちのミッションは「沖縄から、人を、場を、世界を、笑顔に」まさに沖縄とオリオンが重なって見える沖縄の魅力があってこそのオリオン、沖縄の魅力のさらなる向上の一助になればと思います

戦後復興のシンボルから世界ブランドへ。
県民とともに歩んできた「ワッター自慢のオリオンビール」の新たな挑戦が始まります。

沖縄テレビ
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