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プレスリリース配信元:World Gold Council

インフレ圧力が持続し経済成長の不確実性が増す中、金は投資家のニーズに合致しているにも関わらず、実際に金に投資している投資家は約2割

金に関する国際組織であるワールド・ゴールド・カウンシル(本部拠点:英国・ロンドン、以下「WGC」)は、報告書「日本の金(ゴールド)投資家に関する洞察‐2025年 ゴールデン・オポチュニティ」を、本日発表しました。本報告書では、日本の個人投資家を対象に実施した調査の結果を基に、投資目的や現在のポートフォリオ構成、金投資に対する姿勢について分析しています。

18歳から65歳までの日本の個人投資家2,024名を対象に実施された調査では、金の安定性や長期的なリターン、危機時の強さといった戦略的資産としての重要性が一部の投資家に認識されている一方で、多くの投資家は金のメリットについて十分に理解していない、あるいは認知度が低いことが明らかになりました。その結果、資産運用に金を活用している人は全体の約2割(23%)に留まっていることがわかりました。全体の7割を占める、これまで金に投資したことがない投資家にとっては、金投資に関する認識や知識の不足、さらには最近の金価格の高騰が金投資の障害となっています。調査の主な結果は下記の通りです。

目標は「資産形成」や「老後の備え」だが、「株式」や「暗号通貨」など高リスク商品が人気

調査で、資産運用(投資または貯蓄)の目的について尋ねたところ、「資産形成」が51%でトップとなり、次いで「老後の備え」が44%、「裁量支出」が29%となりました。

投資や貯蓄に関する感情的ニーズについて聞いたところ、上位3つの回答は「安心感を得られる」(34%)、「充実感を得られる」(26%)、「将来に対し楽観的になれる」(25%)でした。これに続いて「楽しさ/喜びをもたらす」(24%)と「安全な選択をしたという実感」(24%)が僅差で続きました。

現在保有している投資商品について尋ねたところ、最も多かった回答は「株式(金採掘関連を除く)/不動産投資信託(REIT)」で、73%でした。次いで「預金口座」が44%、「暗号通貨」が29%でした。

これらの調査結果からは、回答者の大多数が、資産を長期的に増やすことを目的に、投資に安心感と安全性を求めている一方で、実際には多くの人が、株式や暗号通貨といったリスクの高い商品を主に利用していることが分かります。

金投資の主因は「インフレへの備え」、高額投資家ほど金に投資する傾向

日本の投資家の資産運用目標に関係する金投資の動機(金投資家の金投資の動機と、金に投資していない人が考える金を購入する理由を含む)は、上位から、「安心感」(25%)、「インフレへの備え」(25%)、「資産形成」(24%)、「災害など危機時における通貨として」(21%)、「市場下落時の価値の維持または増加」(18%)となりました。

日本の個人投資家の間で人気のある金投資商品は、「高級金装飾品」、「金地金・金貨」、「金ETF」がそれぞれ8%、「純金積み立て(GAP)」が7%、「その他の金関連有価証券」が3%でした。これらのいずれかで金を保有している日本の投資家は、全体の23%と、必ずしも多くはないことが調査で明らかになりました。

なお、資産ポートフォリオの額が2,000万円以上の投資家では、17%が「金地金・金貨」を、15%が「高級金装飾品」を、14%が「金ETF」を保有し、13%が「純金積み立て(GAP)」を、5%が「その他の金関連有価証券」を保有していました。こうした高額投資家においては36%が何らかの形で金を保有しています。

また、何らかの形で金を保有する個人投資家のポートフォリオにおける金への配分率は、貯蓄と投資の合計額の概ね1%から10%の範囲に収まっていることが示されました。

金価格の上昇や金に関する知識不足が、金投資の障壁に

持続的なインフレ圧力や様々な成長課題、債券と株式の相関性の上昇により、投資ポートフォリオのリスク分散は、投資家にとってますます重要になっています。多くの個人投資家にとって、資産形成と老後資金の確保が主な投資・貯蓄の目的ということを踏まえると、分散投資として金の保有は長期的な資産形成に重要な役割を果たすことができます。
この理由は、金の特徴である実物資産としての希少性や需要の多様性を背景に、金は株式などその他の金融資産との相関性が低く、インフレヘッジ機能を有するとともに、金融市場が大きく動揺する局面では安全資産としてポートフォリオを守る機能があるからです。

調査によると、過去に金に投資したことがあるとした回答者は全体の27%でした。このうち、58%が「今後12カ月以内に再度投資を検討している」と回答しました。17%は「将来的に投資を希望するものの、今後12カ月以内には投資しない」と回答しました。この結果、既に金投資経験のある回答者のうちの計75%が、金への再投資意向があることがわかりました。

一方、金への投資経験がない回答者(全体の73%)が金に投資しない理由のトップは、「金への投資は考えたことがない」(21%)、「価格が手頃ではない」(16%)、「金投資の運用方法をよく知らない」「金投資の始め方がわからない」(いずれも11%)でした。

これらの結果は、最近の金価格の高騰とは別に、金投資に関する認識や知識の不足が、投資家にとって金投資の障壁となっていることを示しています。

金投資を拡大する鍵は、金の「安定性」に焦点を当てた取り組み

WGCは、日本における金投資を拡大するために次の4つがカギとなると考えます。
- 金投資に関する教育:長期的観点でのリターンや安定性の提供といった金投資の特長が、投資目的達成に資するとの理解を広める
- 金投資をより簡単に:簡単で、少額かつ低コストでの金投資を提供、またそうした理解を広める
- 困難な時期における安全資産およびインフレヘッジとしての金の位置付け:経済の不確実性に備えた安全資産、またインフレ圧力が高まる中でのヘッジ手段として、分散投資としての金を訴求する
- 最適なチャネルを通じたこれらのメッセージの伝達:マスメディアやソーシャルメディアを活用し、明確なメッセージを発信する

ワールド・ゴールド・カウンシル アジア太平洋地域(中国を除く)責任者 兼 中央銀行部門グローバル責任者  シャオカイ・ファン:
「日本はいま、物価や金利の上昇という、過去30年間経験したことのない大きな変化の局面を迎えています。世界経済の不確実性や地政学リスクへの懸念が続くなか、分散投資に有効な戦略的資産クラスとしての金に対する日本の投資家の理解を高め、より活用いただくために、WGCとして日本でもこれまで以上に積極的な活動に取組んでまいります」
ワールド・ゴールド・カウンシル 日本担当 顧問  戸田 淳:
「今回の調査により、日本人の主な投資目的は、長期的な金融資産の成長や老後の備えであること、またその手段は主として株式投資が中心であることが分かりました。その一方で、金はまだ十分に活用されていません。長期的な資産形成という目的に見合った資産として金がより活用されるように、特に働き盛りの現役世代や若者に向けて、情報提供に努めてまいります」

調査結果の詳細につきましては、報告書をご参照ください。

<調査方法>
- 対象者:過去12ヵ月間に、あらかじめ定義された投資商品リストにある商品の少なくとも1つに投資したことがあると申告した人、または過去5年間に、あらかじめ定義された投資商品リストにある別の商品に投資したことがある人(過去12ヵ月間に普通口座へ預金を追加しただけの場合)
- 調査期間:2024年7月5日~9月20日
- 回答者:18歳から65歳までの日本の投資家2,024人
- 調査手法:オンライン調査(自己記入方式)
- 調査主体:ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が委託した世界的な市場調査会社がWGCの代理として実施


ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)について
ワールド・ゴールド・カウンシルは、戦略的資産として金が果たす役割を広め、責任ある形で、開かれた金のサプライチェーン構築を目指す会員組織です。当社の専門家チームは信頼される調査・分析・コメント・洞察を通して、金の利用事例やその可能性について、さまざまな知見を提供しています。
ワールド・ゴールド・カウンシルは、業界の進歩を促進し、金に関する政策の形成や業界標準の構築に関わることで、永続的で持続可能な金市場を目指して活動しています。

ワールド・ゴールド・カウンシルについては、World Gold Council | The Authority on Gold , X(Twitter)の@goldcouncil およびLinkedIn でフォローいただけます。

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