夏から続く厳しい暑さが私たちの食卓に影響を及ぼしています。

秋の野菜や旬の果物にも異変が広がっているようです。

福岡市中央区の青果店「かいぶつくん薬院店」です。

ナスやレンコンといった「秋の味覚」が運び込まれていきますが…。

Q.秋の味覚の入りはどう?
◆かいぶつくん薬院店 篠原加代子店長
「まだ少ないです。ナシとか種類がこれだけ。野菜も少ないです。秋の野菜が」

例年の同じ時期に比べ、秋の野菜や果物の入荷量が3割ほど減っているといいます。

その大きな要因が…。

◆かいぶつくん薬院店 篠原加代子店長
「やっぱり暑さだと思います。今年は暑すぎて夏野菜も取れないくらいだった」

夏の猛暑による生育の遅れだといいます。

その影響は価格にもあらわれています。

例えば1本105円で販売されているこちらのナスは…。

◆かいぶつくん薬院店 篠原加代子店長
「(例年だと)うちは2本で100円とか。このサイズだと3本で100円とか」

ナシも去年より小ぶりですが40円ほど値上げしていて、中には去年と比べ3倍近い価格になっている商品もあります。

◆訪れた飲食店関係者
「高騰している。いろんなところめぐりながら探すひと手間かかる」

◆かいぶつくん薬院店 篠原加代子店長
「もう少し冷え込むと秋の野菜はどんどん実ってきておいしくもなってくる。10月くらいに気温が下がると期待しています」

この時期本来の涼しさを待つのは、生産現場も同じです。

福岡県八女市で季節の果物狩りを体験できる「ひらい観光農園」を訪れると…。

◆記者リポート
「ハウス内に入ると頭上にたくさんのシャインマスカットがたわわに実っています。透き通るような緑色がみずみずしくておいしそう」

この農園では4年ほど前から、秋が旬のシャインマスカットを栽培していますが、今年は一部の房に“ある異変”が起きているといいます。

◆ひらい観光農園 平井一之介さん
「例年よりも実が小粒。例年だとこれの大体1.2~1.3倍くらいは大粒の実がなる。ことしはすき間があるが、例年だとぎゅうぎゅう」

平井さんによると、5月ごろまでは順調に育っていましたが、早い梅雨明けによる乾燥や厳しい暑さの影響などで、実が十分に成長する前に熟し始めているといいます。

また、シャインマスカットは色が薄いため、晴天が続くと日焼けしやすく、例年以上に丁寧な管理が求められます。

気になる味はというと…。

◆ひらい観光農園 平井一之介さん
「実は小粒だが他食べてみると糖度をものすごく蓄えていて、非常においしい実に仕上がっている」

実際に糖度計で測ってみると26.8度との表示が出ました。

平井さんによると例年は高くても23度ほどで、こんな数値はこれまで見たことがないということです。

中でも黄色くなっている実がより熟しているそうです。

◆記者リポート
「甘い。甘さが濃い。砂糖をかけたかのように甘い」

◆ひらい観光農園 平井一之介さん
「観光農園をしているので、暑いよりは涼しい方がいい。できれば早く涼しくなってほしい」

これから本番を迎える秋の味覚。

猛暑の影響はもうしばらく続きそうです。

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。