埼玉・八潮市で発生した道路陥没事故を受け、国が行った下水管の全国調査結果が公表された。「最も緊急性が高い」とされた下水管は、県内で2.7キロに及ぶことがわかった。
2025年1月に起きた八潮市の道路陥没死亡事故は、硫化水素による下水管の腐食が原因とみられ、同様の事故を防ぐために国が全国で調査を行った。
調査では、八潮市で事故が起きた下水管と条件が同じ「内径2メートル以上かつ30年以上が経過した下水管」を優先的に調べた。
その結果、緊急性が高く「1年以内に速やかな対策が必要」な「緊急度1」の下水管が全国では72キロあり、このうち山形には東北6県で最長の2.7キロあることがわかった。
県によると、県内で「緊急度1」に分類された下水管は山形市と天童市に5つの区間あり、これらの下水管に亀裂や表面の破損が確認されたという。
一方、下水管と地表との間に空洞化した箇所は確認されず、すぐに陥没する危険はないとしている。
18日、吉村知事は、調査結果を重く受け止め対策を進めると話した。
(吉村知事)
「緊急度1の区間は速やかに対策工事を実施できるよう工事の工法を検討し、対策に向け調査・設計を始める」
また、5年以内に対策を講じる必要がある「緊急度2」の下水管は、山形市と天童市に8つの区間・合計1.8キロ確認されている。