「昨日クマが侵入した住居では窓に木の補強がされています」(吉村直人記者)
クマが壊した掃き出し窓には、もうクマが入ってこないようにと木の板が――

クマがガラス破り住居侵入
9月16日午前10時40分ごろ、北海道・三笠市幾春別川向町の公営住宅に、体長約1.2メートルのクマがガラスを破って侵入した。

「びっくりですよ。人間騒いだらダメよ」
「(びっくりしたけど声は出さずに?)出さない。騒いだらダメですよ」(いずれもクマが侵入した部屋の女性)
クマは洗濯をしていた81歳の女性に近づき、女性は近くにあった掃除機を手にする。
クマは女性の前を通り過ぎ、網戸だけにしていた玄関から外に出ていった。

4日連続でクマ出没 住民は「逃げる所を考えてる」
「クマが侵入した住宅の前では警察が警戒をしています」(吉村記者)
警察は17日もパトカーで巡回するなど、付近の警戒を続けている。
市は山に箱わなを1基設置した。

「こちらの下桂橋を中心に連日クマの目撃が相次いでいました」(吉村記者)
三笠市では13日からクマの目撃が相次いでいた。
その都度、警察やハンターなどが出動していたが、16日に住宅に侵入したことで、クマの出没は4日連続となった。

「車を玄関の前において乗り降りできるようにしている」
「逃げる所を考えてる。包丁とか消火器でも持って走る」(いずれも近くに住む人)
公営住宅の近くには、クマが隠れられるような草むらがあった。
「役所にここ(の草)を刈ってくれないか、と言っている」(近くに住む人)

専門家「体を大きく見せるというのは非常に有効」
クマはなぜ住宅に侵入したのか?そして人間を襲わなかったのはなぜなのか?
クマの生態に詳しい、札幌市ヒグマ防除隊隊長の玉木康雄さんは――
「何かを突き破ってクマが住宅に入ってくるということは当たり前に起こることではない」
「(クマが)突然何かにびっくりして突進せざるをえなかった。暗い方向に飛び込もうとして突進してきたらガラスがあったというのが一つ(の可能性)」
「(住人は)本当にびっくりしたでしょうけれども、ドタバタ動きまわったり、大声で叫んだり、そういうことをしてしまったら刺激した可能性はあったが、クマが出ていくまでの間、かなり冷静に立ち振る舞われた」

「掃除機がどのくらいの威嚇効果があるかはわかりませんが、人間単体よりも体を大きく見せるというのは非常に有効だと思います」
「掃除機でクマに立ち向かうのではなく、持っていることでクマにしてみるとある程度射程距離が生まれる。人間が何を持っているかわからない。武器なのか分からない」
「少なくとも人間の長い手がいっそう長く見えるわけですよ。そういう条件を整えたということは、とっさの動きであったにしても良い動きをされた」
