ソフトバンクとの優勝争い。新型コロナウイルスに感染して主力が大量離脱した2位ロッテは、重い空気を振り払う1勝をチーム一丸でつかみとった。

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雨が降りしきる中、先制パンチが、チームに勇気を与えた。
初回、2・1塁のチャンスで、前日3打数ノーヒットの5番・井上晴哉(31)。

オリックス先発左腕・アルバース(35)のストレートを捉え、ライトスタンドに13号3ラン。
「今残っている選手で勝っていかないといけないので、今日は勝てるように、ピッチャーを援護できるように次の打席も頑張ります」とベンチ前では恒例の「ごっちゃし」ポーズを決めてみせた。

1番に抜てきされた昨年のドラフト1位・藤原恭大(20)も今季初スタメンのチャンスで起用に応えた。
5回、ライト前に今季初ヒットを放つ。

7回はノーアウト1、2塁で3塁前へ送りバント。
初球でしっかり走者を進め、続く中村奨吾(28)の犠牲フライによる追加点につなげた。

投手陣は先発の小島和哉(24)がランナーを出しながらも、6回1失点の力投。

7回は唐川侑己(31)、8回は澤村拓一(32)が無失点に抑えると、9回はリーグ最多27セーブをあげる”チームの絶対的守護神”の益田直也(30)がマウンドへ。

これまで幾度となく、チームのピンチを救ってきた右腕は1アウト満塁のピンチを招いたが、気迫のピッチングで何とか逃げ切った。
火消はしても、燃える闘志までは消せなかった。

チームは6日に新型コロナウイルス陽性と判定され、計22人もの大幅な選手入れ替えを余儀なくされた。さらにこの日も、外野手の岡大海(29)が濃厚接触者に追加特定され離脱。

ヒーローインタビューで井上は「こうして苦しい中でも試合に出させて頂いてる中、闘志は燃やしておかないといけないと思っている。人数がいっぱいいっぱいなんですが、皆で戦っていきます」と、チームの気持ちを代弁した。

この日、首位ソフトバンクが敗れたため、ゲーム差を1に縮めたロッテ。
厳しいチーム状況の中、残っている選手一丸で、チームの危機を乗り越える。

【10月7日プロ野球結果】
巨人3-6DeNA
中日4-1ヤクルト
広島9-3阪神
日本ハム2-2楽天
西武4-3ソフトバンク
ロッテ4-1オリックス

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。