イギリス・ロンドンで8日、裁判所の壁にバンクシーの新作が現れた。しかし、新たな壁画が見つかった場所は黒いシートで覆われ、多くの人が見られなかった。
絵は、倒れたデモ参加者に小槌を振るう裁判官を描いたとされ、地元メディアは、6日に数百人が逮捕された抗議デモの摘発に関係している可能性があると報じている。
バンクシー新作発表も…黒いシートに覆われ見ることできず
イギリス・ロンドンで8日、カメラが捉えたのは、カメラを構える大勢の人だかりと、何かを隠そうとする警備員の姿だ。

FNNのカメラが、その何かを捉えた。裁判所の壁に描かれていたのは、正体不明のアーティスト・バンクシーの新作だ。
バンクシーの新たな壁画が見つかった場所には黒いシートが掛けられ、バリケードで中を見ることはできなかった。

屈強な警備員3人がガッチリとガードし、中の様子を聞いても「我々は何も関係ないよ。『ここに立ってろ』と言われただけだからね」と取り合わなかった。
バンクシーが「新作」を発表したと聞きつけ、多くの人が集まったが、作品が隠されているため、見えるのは警備員だけだ。
ファンは、「見られませんでした。見るのが夢だったのに残念です」と肩を落とした。

実はこの新作、当初は囲いもなく、すぐ横で記念撮影ができる状態だった。なぜ、発表後すぐに隠されたのか。
バンクシーが描いたのは、倒れたデモ参加者に向かって裁判官が小槌を振り上げているように見える絵だった。
プラカードには、血のようなものがついている。
「大規模デモ」と関係か…政治色が強く隠されたか
ロンドンでは6日、親パレスチナ団体の活動を禁止した政府への抗議デモで数百人が逮捕された。

バンクシー自身は作品についてコメントしていないが、現地メディアはこの新作がデモの摘発に関係している可能性があると報じている。
街の人は「絵に込められたメッセージが、とても政治的だから隠されたんだと思うよ」と推察している。
AP通信によると、作品が描かれた裁判所は歴史的建造物に指定されているため、壁画は撤去される予定だという。
(「イット!」9月9日放送より)