7日、退陣を表明した石破総理。
社会学者の古市憲寿さんは、当初石破総理への期待が高かったそうだが、8日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」で、「結局1年間何もできずに終わっちゃった」と指摘。
「主役向きの人じゃなかった、器じゃなかった」と辛らつに話した。

■古市氏「結局1年間何もできずに終わっちゃった」「器じゃなかったな」
古市憲寿さん:やっぱりこの1年間、石破総理になって約1年ですけど、日本はすごく停滞したなって気がするんですね。石破さん初めの頃はすごく期待してて、自民党の中でもリベラルと言われていて、同性婚とか選択的夫婦別姓だったりとか、いろんなことをどんどん変えてくれるんだろうなという期待があったけれども、結局1年間何もできずに終わっちゃったじゃないですか。
最後の最後でも解散に踏み切れなかったから、覚悟が無かった、どうしても主役向きの人じゃなかった、器じゃなかったなというのが、僕の残念ながらそういう印象なんですね。僕が期待してた分だけ、より何もしてくれなかったと思っちゃうんですよ。
青木源太キャスター:総裁選は国政選挙じゃないけど、石破さんが総裁選に出馬した時にやるぞって言ったことはほぼやらなかったのは間違いない。
古市憲寿さん:しかも、これまでの自民党内でのいろんな主張に対して、批判をたくさんしてきたわけでその分だけ、より考える時間もあった、いろんな総理の失敗を見てきた、そこの中で本当だったらいろんなシュミレーションをして、「これやりたい」ってことがたくさんあったはずなんですよ。
■周りの意見を気にしすぎ? 「みんなが石破茂を良いと思ってくれない」とできない言い訳
青木源太キャスター:会見でも「いろんな人の意見を聞きすぎた」という後悔を語っていらっしゃる。
古市憲寿さん:1年で遅いです。そういうことを1カ月で気づいて、変えなきゃいけなかったのにそれができなかったという。しかも最後の最後で、「日米の関税交渉のメドがついたから辞める」と言ったじゃないですか。でもあれも言い訳じみてると思っていて。だってなんなら、「トランプを日本に呼びたい」と言ってたりとか、初めは「関税交渉の文章がなくてもいい」と言ったりとか…。
青木源太キャスター:あれは表向きの理由として言ったんですよね。
古市憲寿さん:だから最後の最後で、本音全部言えばよかったのに。結局、本当の本音が言えないまま終わっちゃったのは、すごく残念。
政治ジャーナリスト・青山和弘さん:古市さんがおっしゃるように、「関税交渉が一区切りついた」というのは、完全に後付けの理由です。それで辞めるんだったら、その前に辞めててもおかしくない状況です。それと石破さん、本当はやりたいことというか、色々思いはあったのに、“なぜできなかったのか”私も何度も聞いたことあります。
だけれども、「みんなが石破茂の言ってることをいいと思ってくれないんだ」と言うんです。総理なんだからそれでもやればよかったのに、やはり周りの意見を気にする。あと何と言っても、党内基盤の弱さ。それを突破するだけの覚悟も、意志もなかったと言わざるを得ない。
1年たって「石破カラーが出てなかったから、これから出します」と言っても、まさに古市さんが言うように「もう遅かった」と言わざるを得ないと思います。

■自分を支えてくれるチーム作れなかった石破総理の弱さ
古市憲寿さん:周りの意見は気にするのに、なんで見た目は気にしなかったんですか。
青山和弘さん:これは、見た目は本人もちょっとズボラなところがあったんでしょうけど、周囲がそういう意味では弱かったというのは間違いなくて。今回も周囲の中で“現実をちゃんと伝える人”もいないし、例えば眼鏡にシール1つ貼ってあっても、剥がす人もいないと。「チーム石破」の弱さというのは、周囲も悪いけど、そのチームを作れなかった石破さんの弱さでもあるということは言っていいと思います。
注目はポスト石破に移っていくということになりそうだ。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年9月8日放送)
