牛を使って荷物を運ぶのを仕事にしていた岩手・久慈地方の「牛方」に関係する資料と、野田村の米田浜の津波堆積物が、新たに岩手県の文化財に指定されることになりました。
これは9月5日に開かれた県の文化財保護審議会で答申されました。
県の有形民俗文化財に指定されるのは、久慈地方で江戸時代後期から昭和30年代にかけて、牛を使って荷物を運んだ「牛方」が使った用具など165点です。
沿岸部から内陸部に塩や海産物を運ぶ際に使用した「身支度用具」や荷物の積み下ろしに使う「荷役用具」から構成され、岩手県の交通や畜産業の歴史を伝える重要な資料とされています。
また、県の天然記念物に指定される野田村の「米田浜津波堆積物」は、十府ヶ浦海岸の最南端に位置する米田浜に保存されている地層です。
調査の結果、最も古い地層は6000年以上前のものとされ、堆積物から約500年の間隔で大きな津波が襲ったと推測されています。
指定が正式に決まれば県の指定文化財は411件となります。