放射光施設ナノテラスが開発した新たな装置が9月5日、報道向けに公開されました。この機械により、放射光の強さが2倍になるということで、研究の加速が期待されています。

放射光施設ナノテラスは、太陽光の10億倍明るい放射光を作り出すことで物質をナノレベルまで拡大して見ることができ、巨大な顕微鏡とも言われています。

去年4月の運用開始から、まもなく1年半となるのを前に、9月5日、報道向けに公開されたのが…。

西ノ入菜月アナウンサー
「光を作り出すための電子が通る機械がずらりと並んでいますが、今回新しく導入されたのがこちらの機械です。光の量が増えて実験の作業効率が格段にアップするということです」

こちらが、光の量を向上させるため、ナノテラスが開発した「フィードバック空洞」と呼ばれる装置です。

ナノテラスではこれまで、試料を見る際に、200ミリアンペアの明るさで実験を行っていました。

この明るさでもすでに世界最高レベルの性能でしたが、この装置の開発により、これまでの2倍の400ミリアンペアの放射光を生み出すことに成功しました。

当初の計画よりおよそ半年、早い成功で、実験の作業時間が半分に短縮されるため、材料科学や医薬品の開発などの研究が加速することが期待されています。

QST NanoTerasu 西森信行研究開発部長
「400ミリアンペア達成は運転開始当初からの悲願でした。今まで考えてもなかったような新しい物の発見につながったりということを期待している」

ナノテラスでは、早ければ年内にも400ミリアンペアでの利用を始めるということです。

仙台放送
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