62歳同士を懲戒処分
宮城県角田市のし尿処理施設で、作業手順を巡る口論がエスカレートし、62歳の男性職員2人が公務中に暴力沙汰を起こしていたことが分かった。管轄する仙南地域広域行政事務組合が明らかにしたもので、9月5日付で懲戒処分が下された。
測定機器の清掃中に口論激化 胸ぐら掴む“職場トラブル”
事務組合によると、トラブルが起きたのは6月2日の午前8時40分頃。角田衛生センターで測定機器の清掃作業中、技能員の男性(62)が手順を守らず作業を行ったことに対し、技師の男性(62)が激高。大声で叱責しながら詰め寄ったという。
これに対し、技能員も暴言を吐いて応酬。言い争いはさらに激化し、最終的には技師が技能員の胸ぐらを掴み、2~3メートル後ずさりさせるなどの暴行に及んだ。周囲にいた別の職員が間に入り、事態は収束したが、当事者2人にけがはなかった。
再任用職員同士の確執? 日常的な注意に不満も
2人はともに定年退職後の再任用職員で、日常的に業務を共にしていた。技師は技能員に対し、日ごろから作業手順の誤りを繰り返し注意していたといい、こうした積み重ねが双方の感情のもつれにつながった可能性もあるという。
減給と戒告 管理職にも厳重注意
仙南地域広域行政事務組合はこの事案を重く見て、技師には「減給1か月(10分の1)」、技能員には「戒告」の懲戒処分を行った。また、管理監督責任を問う形で、施設所長に対し文書による厳重注意処分を下している。
「信頼を大きく損なった」事務組合が謝罪
事務組合の理事長は「公務員としての自覚を欠く行為であり、皆さまの信頼を大きく損なったことについて、深くお詫び申し上げます。今後、二度とこのようなことのないよう、法令順守と服務規律の確保を徹底し、信頼の再構築に努めてまいります」とコメントしている。