先週、菊陽町が地下水の涵養(かんよう)を目的に町役場に『雨庭』を設置したニュースをお伝えしましたが、今度は熊本市の住宅メーカーが地下水の保全や都市型水害に対応した街づくりに挑戦します。

熊本市南区にある分譲地で先日、『アネシス』が『雨庭』を備えたモデルハウスの見学会を開きました。

【アネシス 吉玉 健 さん】
「TSMCとか大きな工場ができたことで地下水保全の環境問題などを抱えているので、そこに住宅メーカーとして貢献できないか」

熊本市に本社がある住宅メーカーのアネシスが南区富合町に開発した分譲地『アクアガーデン富合』です。

ノルウェー語で〈環境〉を意味する『ミリヨプロジェクト』を採用した街づくりを進めていて、8月23日、モデルハウスを含む全9区画を一般公開しました。

こちらの住宅の特徴は『雨庭』を備えていること。

【雨庭を手掛けた 古閑舎 古閑 英稔 さん】
「屋根からの排水管も普通だったら全部、外の排水溝に流すところを地中に返す形で、芝生に降った雨水も雨庭に集まるように傾斜をつけていて、手洗い場の水も全部、雨庭に集まるようになっている」

『雨庭』は屋根などに降った雨を直接、排水溝に流さず、一時的にためて、ゆっくり地中に浸透させる植栽空間です。

河川に雨水が一気に流れ込むのを抑え洪水を防ぐ効果に加え、熊本都市圏で課題となっている地下水保全にも効果があるとされています。

【雨庭を手掛けた 古閑舎 古閑 英稔 さん】
「1メートル以上、深く掘り下げて、そこに焼き杭を打って、ぐり石、砕石という形で浸透層をつくり上げてきて、最後、土の層で植物も一緒に共存できるつくりになっている」

『雨庭』の土壌を改良することによって水はけが良くなり、雨水が地中に浸透しやすくなるだけでなく、生物がすみやすい環境がつくられ、生態系の保全にもつながるということです。

アネシスは、モデルハウスを含む全9区画をこの『雨庭』付きで販売。「緑に囲まれた森のような住宅地で豊かに暮らしてもらいたい」としています。

テレビ熊本
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