列島を横断し、関東を直撃した台風15号。
各地で交通機関の運休が相次ぐなど影響が広がりました。
静岡県では午後1時7分ごろから、相次いで線状降水帯が発生。
非常に激しい雨が同じ場所で降り続きました。
午後1時の静岡市の情報カメラの映像は、雨が急激に強まり、たちまち画面が真っ白に。
そして、空を切り裂くような稲光が走ります。
激しい雨はその後も降り続き、約30分後、周囲の道路は冠水。
車が大きな波を立てながら慎重に行き交う様子が見られました。
静岡市内では至る所で冠水が発生。
一面が湖のようになった幹線道路を車が水しぶきを上げて走っていました。
静岡・浜松市では増水した用水路で事故が。
正午前に「80代の男性が水路に落ちたのではないか」との通報があり、消防が捜索活動を行っています。
一方、午前10時過ぎの愛知・豊川市では、畑の脇を流れる用水路の水位が上がり、氾濫の危険が高まっていました。
愛知・岡崎市では午後3時前、住宅街に隣接した田園地帯が一面冠水していました。
水で埋まった畑の間の一本道では、動けなくなったのでしょうか、車がぽつんと置き去りに。
岡崎市では広い範囲が冠水し、水没した車や畑に落下した車などがあちこちで見られました。
関東を直撃した台風15号。
午後1時半の東京・新宿駅では、雨脚が強まり、駅の構内に入った雨水を駅員がかき出す作業を行っていました。
神奈川・横浜市磯子区では、マンホールから約2メートル以上の高さにまで水が勢いよく噴き出す様子が。
午後3時27分ごろ、神奈川県東部に線状降水帯が発生し、非常に激しい雨が同じ場所で降り続きました。
神奈川県で線状降水帯が発生したのは初めてです。
人気の観光地・鎌倉駅前も浸水。
午後3時の鎌倉市若宮大路は大雨の影響で冠水。
その影響で道路は通行止めになっていて、警察が規制をかけて車を通れない状態にしていました。
神奈川県や千葉県の一部では土砂災害警戒情報が発表されています。
引き続き土砂災害や低い土地の浸水河川の氾濫などに厳重に警戒が必要です。
一方、関東の観光地も台風15号の影響で激しい雨に見舞われました。
午前9時の神奈川・箱根町で見られたのは、勢いよく流れる茶色く濁った川。
普段と比べてかなり増水していました。
人気の観光地・箱根町では、朝から強い雨が降り続き、車は水しぶきを上げながら走行。
道行く観光客の姿も4日よりまばらに見えます。
箱根町では午後2時50分までの24時間雨量が166.0mmの大雨が降りました。
そのため予定をキャンセルしたという人も。
箱根町を訪れた人からは「せっかく準備してきたのに、台風で大涌谷とかも行けなくなって残念。ホテルでこもって生活みたいになっちゃう」「きょう箱根神社に行こうと思ってたけど、台風だからと昨日に急きょ予定変更して」「もう少し晴れていたら色々見られたのに、雨しかないし、曇りだしと悲しかった」「(Q.今日の予定は?)海賊船に乗ったりします。(Q.海賊船止まっている)えー!まじっすか!知らなかった。ちょっと考えます」と残念がる声が聞かれました。
その海賊船がある芦ノ湖へ向かう際にも激しい横殴りの雨が。
芦ノ湖の名物・遊覧船は運休。
視界が白くなるほどの雨に、訪れていた外国人観光客からは「富士山が見たかったから来たけど、台風か~」「(遊覧船)乗りたいけど、ご覧の通りの天気なので泣いちゃう」などの声が聞かれました。
台風の影響は東京の観光名所・浅草にも。
強い大粒の雨が降り続き、多くの人が雷門の屋根の下で雨宿りをしていました。
一方、雨の中ですが人力車が観光客を乗せる姿も。
北海道から来た女性は、傘だけでは足りず、かっぱを購入したそうですが「ひどいですよね、急きょかっぱ買ったけど、売ってなくて、これ子供用のを羽織ってみた。もうびしゃびしゃです」と話しました。