念願の首相の座に就いたものの、衆参ともに与党が過半数割れとなり、退任を余儀なくされた、石破首相。これまでの歩みを振り返ります。
2024年9月、5度目の挑戦で悲願の自民党総裁の椅子を手にした石破首相。
裏金問題で揺れる自民党の切り札として、党の立て直しが期待されました。
石破首相:
我々は国民を信じ勇気と真心をもって、真実を語りたいと思っている。
ところが、首相就任直後に解散して臨んだ衆議院選挙で敗北。
少数与党への転落を余儀なくされました。
それでも首相を続投。
野党と政策ごとに協力し予算を成立させるなど、何とか国会を乗り切りました。
外交では、アメリカのトランプ大統領と笑顔で会談。
共同記者会見では報復関税についてのアメリカメディアからの質問に「仮定の質問にはお答えしかねるというのが、日本の定番の国会答弁だ」とアドリブで答え笑いを誘いました。
しかしその後、トランプ関税を突きつけられ難しい対応を迫られることに。
そうした中、都議選での敗北に続いて臨んだ2025年7月の参議院選挙。
与党で過半数維持を必達目標に掲げました。
石破首相:
トランプ大統領と関税政策と、正面から交渉しています。なめられてたまるか。
ところが、改選52議席を大きく下回る39議席と大敗し衆議院に続いて参議院でも少数与党に転落。
それでも「比較第一党としての責任、皆さま方に対する責任を果たしていかねばならない」と、続投を表明しましたが自民党内からは“石破降ろし”の動きが活発化。
自民党・西田参院議員:
首相が責任を取るべきだし、新しい総裁を選ばなければならない。
一方で、マスコミ各社の世論調査では石破内閣の支持率が上昇。
「首相を続けるべき」との声が「辞めるべき」を上回るようになりました。
そうした中、9月2日に開かれた参院選敗北を総括する両院議員総会。
石破首相:
地位に恋々とするものでは全くない。しかるべき時にきちんとした決断をする。
石破首相はしかるべき時に辞任すると表明したものの、具体的な時期については明言せず、事実上の続投宣言と捉えられる結果に。
また、石破首相を支えてきた森山幹事長ら党4役も相次いで辞意を表明しました。
総裁選の前倒しを求める署名に自民党の重鎮で党内に唯一残る麻生派の会長・麻生最高顧問が「署名する」と表明するなど石破包囲網は狭まりつつありました。