県庁などがある福井城址では、明治初期まで建っていた「坤櫓(ひつじさるやぐら)」の復元に向けた整備が進められています。今後の観光案内に役立ててもらおうと、5日はボランティアガイドたちに現場が公開されました。
県は、明治初期まで福井城址の南西の角に建っていた坤櫓や西側の土塀を復元する計画です。坤櫓は5階建てで、城下の監視や書物の保管に使われていました。
現在は2026年度から始まる工事に向けて、お堀の水を抜いて準備作業が進められています。
5日は、観光客に関心を持ってもらおうと、福井城址のガイドをする「歴史のみえる
まちづくり協会」の語り部30人を対象に県が工事のスケジュールや方針を説明しました。
水を抜いたお堀からは、坤櫓で実際に使われていた笏谷石(しゃくだにいし)の瓦が見つかり、語り部らは実物を前に復元後のイメージを広げていました。
参加した語り部は「こういう機会がないので嬉しい。完成が楽しみ」「市民や観光客に笏谷石の文化があった福井を誇りに思って伝えていきたい」などと話していました。
坤櫓と土塀の復元工事は2026年度に着工し、2029年度の完成を目指します。総事業費は約40億円です。