台風15号は関東に最接近しています。
川原浩揮気象予報士に台風の状況を聞いていきます。
──静岡・牧之原市では突風被害が出ているが何が起きた?
川原浩揮気象予報士:
建物が一部倒壊してしまったりという情報もあり、コンテナが横に転がっている状況がありますが、恐らく相当強い風、激しい突風が吹いた状況だと考えられます。というのも、走行中のトラックが横転することが起きる場合は、瞬間的には40メートル以上の風が吹いていると一般的に言われるんですが、あれだけ大きくて重いものが、もし風の力で転がるようなことがあったとしたら、瞬間的には40メートル以上、もしくは50メートル以上の風が吹いていた可能性があります。
──まとめによると、牧之原市では建物の全壊が6棟、半壊が34棟ということだが、風が1つ発生したのか、複数発生したのか、その辺りはどうか?
川原浩揮気象予報士:
建物が狭い範囲に1カ所に固まっているのか、広い範囲、いろいろな場所に点在しているかで考え方が変わるかもしれませんが、建物が倒壊する風というのは、瞬間的な風でいうと60メートルぐらいの風が吹いたケースが一般的に言われていることになります。
今日の台風は気象庁が注意を呼びかけていて、関東でも最大で25メートルの風が吹くかもしれませんよという呼びかけだったんです。局地的にこういうことは、やはり発達した積乱雲の下では起きがちということで、関東でこういったことが急に起きても不思議ではないという非常に不安定な天気状況であると考えられます。
なぜ牧之原でこれだけ強い風が吹いたかですが、レーダーで見ると、不気味な大きな紫色の雲の塊が確認できます。これは台風のすぐ近くにある発達した積乱雲の超巨大版といえるような非常に危険な雲だったんです。
この雲の下では1時間に100mmを超える雨が何カ所でも確認され、記録的短時間大雨情報も連続で発表されるような状況がありました。発達した積乱雲の下で竜巻のような突風は発生しやすいんです。
気象庁がいつもゲリラ雷雨に注意を呼びかける時に「突風にご注意ください」というのは、まさにポイントなんですが、大きな黒い雲の下では突風に注意というのが、今回、起きたと考えられます。
ここからは、防災システム研究所・山村武彦所長に電話で話を聞いていきます。
──突風の影響が出ていますが、この時に注意するべきことは?
防災システム研究所・山村武彦所長:
今、他の地域でも線状降水帯の予測情報が出ているので、非常に大気が不安定な状態になっていると思います。竜巻、あるいは突風に注意する必要があると思います。
急に黒い雲が出てきたり、急に空が暗くなったり、急に冷たい風が吹いたり、あるいは耳がキーンと鳴ったり、これはある種、竜巻の前兆現象でもあります。そういう竜巻注意報が出ている時には、できれば家の中に入って、そしてガラス窓から離れる。できれば窓がない部屋、2階より1階、1階より地下のほうが安全です。
──その際、雨戸やカーテンを閉めて、窓からできるだけ離れて過ごすことが重要になってくる?
防災システム研究所・山村武彦所長:
突風だとガラスが突き破って、どんと物と一緒に飛んでくる可能性がありますから、窓のそばにはいないことが大事です。
突風の影響で切れた電線などには絶対に近づかずに、警察や消防、電力会社などに連絡するようにしてください。