ニューヨークで開幕したテニスの全米オープン。愛知県一宮市出身の車いすテニス・小田凱人選手が、夢の“生涯ゴールデンスラム”達成へ、一歩を踏み出しました。
■「スーパースターになりたい」次なる夢は…
2024年のパリパラリンピックで、金メダルを獲得した小田凱人選手、全米オープンの前夜、次に見据える夢を聞きました。
小田凱人選手:
「スーパースター。長渕剛の『SUPER STAR』という曲をずっと聴いていて、昔から知っている曲なんですけど、最近めっちゃ聴いていて。スーパースターになりたいですね」

小田選手は2025年7月、地元の一宮市で開かれたトークショーに登場しました。
小田凱人選手(7月):
「パラリンピックが終わってあまりトークショーとかしてなくて、結構久しぶりなんですけど、毎年行っていた(一宮の)七夕だと思って」

この日は七夕祭り、子供たちが短冊に書いた願いごとを発表しました。小田選手が書いたのは「夢からさめませんように」でした。
Q.パリパラの前にも『夢が続いている感じ』と言っていた
小田凱人選手(7月):
「一回途切れて、また今新しい夢に向かって…という感じです」
小田選手が目指すのは、パラリンピックの金メダルと、テニスの四大大会すべてを制覇する「生涯ゴールデンスラム」の達成です。
その中で、唯一勝てていない大会が「全米オープン」、2023年にはまさかの初戦敗退を喫するなど、あまり相性のよくない大会です。
■「生涯ゴールデンスラム」へ…新たな挑戦
最後の難関攻略へ、小田選手は2025年から新たな挑戦をはじめました。
小田凱人選手:
「熊田コーチと一緒に自分のプレースタイルを作り上げてきた感があったので、中2から4~5年一緒にやってきて。パラが終わって自分の中でも変えたいタイミングで、自分でコーチもしながらやってみたい」

長年指導を受けてきた熊田コーチから卒業し、自分ひとりでやっていくという新たな挑戦です。
小田凱人選手:
「今年の初めとかは不安というか、(熊田コーチが)いないときの不自然な感じみたいなのはあったけど、自分から特に最近は練習内容とか考えるようになった。強度が上がっていて、1個作るとメニューが派生していく感じ。トレーニングもある、でも技術的な繊細な練習もやるし。もう完璧です」

その言葉通り、今シーズンは全仏オープン3連覇、ウィンブルドンでも2度目の優勝を果たすなど絶好調です。
小田凱人選手:
「最後に残ったのがニューヨークというのが、また自分に合っている気がして、残り1つのパズルを埋めたいなっていうのは、すごく思いますね」
いよいよ開幕した2025年の全米オープン。車いす男子シングルスの1回戦、世界ランク1位の小田選手は、世界ランク8位のアメリカのラッツラフ選手との対戦です。
この日も序盤から積極的に前に出るプレースタイルと、持ち前のパワーショットでポイントを重ねていき、第1セットを6−1で奪うと、第2セットも相手に1ゲームも与えず格の違いを見せつけ、ストレートで勝利しました。
全米オープン制覇、そして「真のスーパースター」になるための幸先の良いスタートを切りました。
小田選手は、5日の準々決勝で世界ランク15位のイスラエル・リソフ選手と対戦します。