神奈川・川崎市で岡﨑彩咲陽さん(当時20)が元交際相手の白井秀征被告(28)からストーカー被害を受け、その後殺害された事件で、警察庁と神奈川県警は、神奈川県警トップの本部長や捜査の指揮をした川崎臨港署の署長など43人を処分したと発表しました。
神奈川県警は5日、事件の一連の対応が「不十分かつ不適切」だったとする調査結果を公表し、これを受けて川崎臨港署の署長や副署長、生活安全課の課長など5人を「戒告」や「減給」の懲戒処分としました。
また、2024年12月に岡﨑さんから寄せられた9回の電話相談を適切に取り扱わなかった臨港署の当直警察官や、行方不明後に十分な鑑識活動を行わなかった捜査員、ストーカー事案の対応を適切に行うよう指導、監督すべき立場だった県警本部の人身安全対策課の幹部など35人を「訓戒」などの処分としました。
一方、警察庁は適切な対応を指揮する立場にあったにも関わらず、必要な指揮を欠いたことにより一連の不十分、不適切な対応を招いたとして、神奈川県警トップの和田薫本部長を長官からの口頭厳重注意としたほか、幹部2人を首席監察官からの口頭厳重注意としました。
一連の問題で処分を受けた警察職員は43人にのぼり、県警の監察官室は「一事案の処分人数としては異例の規模のものと考えている。相談を受けていたにも関わらず1人の女性が殺害されてしまったことを重く受け止め、今回の処分規模となった」とし、「検証で明らかになった問題点を幹部から現場の捜査員に至るまで職員一人一人が深く胸に刻み、被害者の安全確保を最優先とした対応が徹底されるよう、組織一丸となって再発防止に取り組んでまいります」とコメントしています。