仙台市や富谷市で、公園の金属製のポールが100本以上も盗まれている事件を受け、仙台市はポールのある、市内全ての公園で緊急点検を行っています。
記者リポート
「青葉区の北三番町公園です。市の要請を受けて職員がポールの点検を行っています」
仙台市は、今週からポールが設置されている全ての公園で点検を進めていて、9月4日も留め具が固定されているかなどを確認しました。
この点検は、仙台市内の公園で、今年6月ごろから車止めの金属製のポールが相次いで盗まれていた事件を受けて実施されているもので、市がまとめた被害は、8月末までに市内の39の公園で108本、被害額はおよそ650万円に上るということです。
また、富谷市の公園でも3本のポールの盗難が確認されています。
仙台市は緊急点検の結果がまとまり次第、公表する方針です。
金属製ポールを盗む動機としては、“転売”が挙げられます。
金属を狙った窃盗事件は過去5年で大幅に増加していて、去年1年間で2万701件の被害がありました。
登米市の金属リサイクル会社です。買取ったスクラップなどを加工して売却しています。社長の高田さんは、相次ぐ事件の背景をこう指摘します。
金属リサイクル会社高田商店 高田浩成社長
「盗難品を買っている業者がいるから、盗難がなくならないのでは」
県の再資源商工組合の理事長も務める高田社長は、加盟する業者内で盗難品の買取を行わないよう、出入り業者の身元確認を徹底するなどのルール作りが進められているといいます。
金属リサイクル会社高田商店 高田浩成社長
「我々の組合以外、また新規事業者など、様々な業者いらっしゃいます。そういった業者に盗品が流れているのが1つ考えられる」
考えられる対策については、県をまたいだ広域での連携が必要だと話します。
金属リサイクル会社高田商店 高田浩成社長
「流通ルートの1つとして、宮城県で起きた盗難品が宮城県に売却されているかは、ちょっと疑問だとは思っている。多分、県外に持ち出して売却するのが通例ではないかなと私はちょっと考えている。栃木とか北関東まで行かれるとなかなか連携難しい。各県で県警と連絡しながら盗難情報の共有を、今後目指していきたい」
金属盗をめぐっては、9月4日、仙台地方裁判所で、他のカンボジア国籍の男3人と共謀し、去年、色麻町で銅線ケーブルおよそ3808万円相当を盗んだ罪に問われている住所不定・無職の、ティムティボット被告(25)の裁判が開かれました。
事件の1年ほど前に、リーダー格の男に勧誘され、同様の犯行を繰り返していたことが法廷での弁護人とのやり取りで分かっています。
4日の被告人質問で、色麻町の事件について、「住んでいた群馬県から車で現場近くに集合した」と話しました。
その上で、「送迎や見張りのほかに盗んだケーブルを車に積み込んだり、身元がばれないようにナンバープレートを付け替える手伝いをした。自分は単なる運転手で一番下の立場で、報酬も一番少なかった」などと犯行の実態を明かしました。