4日朝に発生した台風15号は、発生後すぐに九州に接近し、4日夜には四国、あす5日には近畿、東海、関東、伊豆諸島に接近する見込みです。

この台風の特徴は、台風の進行方向の離れた場所で大雨になること。逆に、台風が接近した時にはすでにピークを過ぎている可能性がありますので、今回は台風の中心だけを追うのではなく、降雨レーダーなどで大雨の状況を把握するのが重要になります。

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今回の台風は日本の近くで発生したため、発達の途中で日本に接近することになります。台風が引き込む時計と反対周りの風が、四国から関東に向かって南から暖かく湿った空気を大量に送り込み、このため、台風から離れた地域で局地的に大雨になっています。

この状況は台風が接近するまで続きます。南から暖かく湿った空気が入る地域では、竜巻発生や線状降水帯発生も考えられます。

気象庁スーパーコンピューターによれば、関東地方の雨のピークは5日(金)夕方の帰宅時間帯を予測するモデルもあれば、早いと5日(金)朝の通勤時間帯から昼頃を予測するモデルもあり、予測に幅を持たせる必要があります。いずれにしても、台風接近よりも前に大雨のピークがありそうです。

このため、台風から離れていても、土砂災害や河川氾濫などに警戒が必要で、高齢者や障害を持った方など避難に時間がかかる方がいる場合は早めの避難を考えてください。夜、暗くなってからの避難や道路が冠水してからの避難は大変危険です。

避難指示を発表する市町村役場が自分の住んでいる地域の状況を把握しているとは限りません。あらかじめハザードマップを確認したり、気象庁ホームページのキキクルをチェックして、早めに家族の安全を確保してください。

執筆:三井良浩(フジテレビ気象センター)

三井良浩
三井良浩

気象キャスター、プロデューサーを経て、2024年にフジテレビを定年退職。現在、フジテレビ気象センターでシニアエキスパート勤務。モットーは、災害から国民の生命と財産を守るための情報を届ける。気象予報士。