県内の「最低賃金」を審議する会議が3日開かれ、現在の時給955円から1032円に大幅に引き上げるよう山形労働局長に答申した。
県内の最低賃金が時給1000円を超えるのは初めて。

「最低賃金」は、企業が労働者に支払わなければならない賃金の最低限度を国が定める制度。現在、山形県の最低賃金は955円で、先日、国の審議会は物価高騰などを背景に、県内の最低賃金を64円引き上げる「目安」を示していた。

しかし、今回は具体的な引き上げ額について、「使用者側」と「労働者側」で意見がまとまらず、最低賃金の答申の日程が2度に渡り延期されるなど、異例の事態となった。3日の審議会で最低賃金を時給1032円に引き上げる方針が決まり、山形労働局長に答申が行われた。

過去最大となる引き上げ率8.6パーセント、77円の引き上げに労使、それぞれの代表は…。

(労働者代表委員連合山形・石川正樹副事務局長)
「山形県は食料も全国平均よりだいぶ高く8%弱(の高騰)なので(引き上げ幅)77円は8%なので、だいぶ補える感じはしている。1032円という結果は評価ができる」
(使用者代表委員・県経営者協会丹哲人専務理事)
「(労使で)折り合いをつけるのが大変だったのが第一印象。山形県の場合(引き上げ率が)8%を超えるので、それに対する不安は経営者の皆さんは持っているのではないか」

県内では初めて1000円を超える最低賃金。
異議がなければ12月23日から適用される。

県内では初めて最低賃金が時給1000円を超えることについて、街の人は…。

(アルバイトを探す10代学生)
「すごくうれしいです。今まで900円台が当たり前だった。時給が上がるとアルバイトのモチベーションも上がる。70円(引き上げ)は普段気にしない価格だけど、働いた分のお金と考えると大きいと思う」

(アルバイト60代)
「(最低賃金の上昇は)うれしいと言えばうれしいが、他の所(物価など)も上がってくる。それだと全然上がった感がないかな」

(パート60代)
「私たち年代くらいになると時給が上がれば介護保険料とか他の面も上がってくる。
簡単に喜べないところもある」

一方、人を雇う側であるラーメン店の店主は、過去最大の引き上げ幅に驚きを隠せずにいる。

(比内地鶏らーめん&かれーあっきー・大狭間朱美店主)
「びっくりです。せめて1000円かなと予想していた。山形県もずいぶん頑張りすぎじゃないか。何も需要も増えていないのに賃金上げるって企業やオーナーの首が絞まるのではないか」

最低賃金は異議がなければ12月23日から適用される。

さくらんぼテレビ
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