新潟県五泉市といえばニットが有名ですが、実は絹織物も250年の歴史を誇る伝統産業なのです。五泉シルクの認知度向上へ、PRの舞台として選んだのは市議会でした。

9月2日、開会した五泉市の9月議会。市政に関する質疑が行われる中、市長や市議会議員の胸元に注目してみると…

【記者リポート】
「市議会で皆さんが胸ポケットにつけているものは五泉市で作られた絹製品、ポケットチーフです」

この日、市議会議員などが着用していたのは五泉シルクのポケットチーフです。いったいなぜ、市議会で着用していたのでしょうか。

【五泉市 田辺正幸 市長】
「(五泉市は)絹織物の産地。着るものというよりも、ファッションに合うということでPRしている」

五泉市の伝統産業である絹織物をPRしたいと、五泉シルクのポケットチーフを五泉商工会議所青年部会が市に寄贈。

市議会で着用することで、五泉市の絹織物が身近な存在となっていることをアピールしたいと田辺市長は話します。

【五泉市 田辺正幸 市長】
「ぜひ、これを機会に五泉をPRしていきたいと思う」

このポケットチーフを作った五泉市の横正機業場で話を聞いてみると…

【横正機業場 横野弘征 専務取締役】
「五泉シルクを守っていくために、自分たちが良いシルクを商品にして届ける活動もしている」

五泉市で織られた絹織物は主に県外に出荷され着物に使われるため、身近に触れる機会が少なく、若者を中心に絹織物が五泉市の伝統として浸透しているとはいえないのが現状です。

【横正機業場 横野弘征 専務取締役】
「五泉市というと、皆さんニットというイメージばかりで、(絹織物は)衰退して隅に追いやられている状態。また、目を向けて、PRしていただく動きができたことは本当にうれしい」

今回作られたポケットチーフには五泉市の伝統の魅力をより多くの人に身近に感じてもらいたいとする市や企業の思いが込められています。

【横正機業場 横野弘征 専務取締役】
「商品を通して使っていただくと(絹織物の)良さが分かると思うので、全国の方に伝えていきたい」

市は今後もイベントなどを通じ五泉市の伝統を発信していく方針です。

NST新潟総合テレビ
NST新潟総合テレビ

新潟の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。