石川県内で先月倒産した企業の件数がまとまり、負債総額は10億9000万円と今年最大になった事が分かりました。
東京商工リサーチによりますと、負債総額1000万円以上で8月に石川県内で倒産した企業は前の年の同じ月に比べて2件多い6件でした。また負債総額は、前の年の同じ月より8億円以上増えて10億9000万円となりました。
倒産件数は8月としては過去20年で10番目の多さでしたが、負債総額は、大口の倒産は無かったものの9億円と言う中規模な倒産があり、総額は単月で今年最大となりました。
産業別では建設業が3件、次いで製造業が2件、不動産業が1件となっています。原因別では販売不振が4件と大半を占め、形態別では破産が5件、法的倒産が83.3%と大半を占めました。
今後の見通しについて東京商工リサーチでは、能登半島地震や奥能登豪雨などの復興復旧工事が進んでいて、工事関係は当面、恩恵を受けると推察しています。しかし、建材の価格や燃料費の高止まり、人手不足などの影響で一定数の倒産が発生していると言うことです。
またインバウンド効果で外国人の観光客が高止まりしていて、飲食業や宿泊業、小売業などの個人消費関連は物価上昇の影響はあるものの持ち直しつつあるということです。
一方で、トランプ関税による相互関税の発動で、国内の製造業を中心に影響が懸念されていて、県内の自動車関連企業などでは今後の対策が迫られると見ています。
さらに最低賃金の上昇や借入金利の上昇など企業の運転式需要の増加は避けられず、今後は製造業を中心とした動向に注目する必要があると言う事です。
さらに借り入れ依存度が高い中小零細企業が散見され、借入金利が徐々に高まりつつあることから、支払利息額が年々増加し、収益力の低下を招く企業が増えることが確実視されています。
適正な価格転嫁による収益下押し圧力を回避することが企業の存続条件となってくることから、資金力に乏しい中小零細企業を中心に一定数の倒産は引き続き発生するものとみています。