宮崎市に、大学や企業の科学分野の研究を漫画で描き分かりやすく紹介する理系漫画家がいます。
そのイラストは、アメリカ・NASAの研究所の漫画にもなりました。
Q職業はなんですか?
「理系漫画家です」
宮崎市在住の漫画家・はやのんさん(50)。
普段は市内のワークスペースをオフィスにして活動しています。
これまでゲーム雑誌や子供向け科学誌で漫画を連載、東京大学・京都大学など大学や企業の研究開発を漫画で紹介する仕事をしてきました。
(漫画家・はやのんさん)
「イラストをもらって、2002年ゴーゴーミルボという代表作の連載が始まりました」
はやのんさんの職業は「サイエンスイラストレーター」と呼ばれ、全国でもプロは少なく貴重な存在です。
こちらは、名古屋大学宇宙地球環境研究所の「太陽宇宙分野」の研究を漫画にした作品です。
(はやのんさん)
「これは私が20代のころに書いていた地磁気ってなんだという本です」
「地球は大きな磁石という話なんですが、宇宙からエネルギーの高い粒子が降り注いでくる、太陽風というプラズマがやってくる、そういうときに地磁気が地球を守っているバリアでという感じです」
国際学会で配布されたこれらの漫画が評判となり、25を超える言語で翻訳されています。
(漫画家・はやのんさん)
「この漫画を持ち帰った中にNASAの研究所の所長がいまして、それでこちらの3冊ができました」
また、地球温暖化やモンスーンなどNASAの研究所で研究されている内容の漫画を英語版で制作しました。
(漫画家・はやのんさん)
「英語になっていれば、いろいろな国の人に読んでもらえるので、できるだけ英語で出版していきたい」
はやのんさんに漫画制作を依頼している2人の研究者に話を聞くことができました。
(名古屋大学宇宙地球環境研究所 塩川和夫所長)
「国連で話しても評判が良くて、日本は漫画が有名というのはどこも知っていますが研究機関がやっていることはユニークな活動だといわれています」
東北大学の吉川彰教授は、研究哲学を紹介する方法をはやのんさんに相談しています。
(東北大学 吉川彰教授)
「漫画を使った動画もいいんじゃないかなーと。的確に伝えたいことを画像化してくれてありがたいなと、そういうことやりたいと思っている人はいっぱいいると思うんですが、やれる人はなかなかいない」
宮崎に移住して7年目。
はやのんさんは、クリエイティブの仕事に興味がある中高生を対象にした交流会を毎月開いています。
今後は、専門性が高い理系分野の漫画やイラストで宮崎に貢献し、若い世代が夢を描けるような活動をしていきたいと話します。
〜子どもたちへのメッセージ〜
(漫画家・はやのんさん)
「学校の教科書だけではなく自分でいろんなことをみるのが大事で、たくさん本を読んでほしいです。私も漫画をたくさん描いているので見てください」
就職氷河期世代のはやのんさんは、琉球大学で物理学を学んでいましたが、なかなか就職ができない中で自ら切り開いたのが理系漫画家の道だったそうです。