ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から、8月24日で3年半が経った。アメリカのトランプ大統領は、「ロシアとウクライナの首脳会談に向けて調整を始めた」と明らかにしたが、実現に向けては不透明な情勢が続いている。宮崎県内に住むウクライナ人の親子も、1日も早い停戦・和平合意を強く願っている。
宮崎で暮らす2人の願い
ヴィクトル・シヴィデンコさん:
この戦争が早く終わって、自分の国に帰って、ゆっくりと生活をしながら、孫たちを育てながら生きたい。

ウクライナ人のヴィクトル・シヴィデンコさんと、ヴィクトリアさん親子。ヴィクトルさんは、ロシアによる軍事侵攻後、20年以上宮崎に住むヴィクトリアさんを頼り、避難してきた。
戦争終結に向けて 情勢はいまだ不透明
8月18日、ホワイトハウスで、アメリカ・トランプ大統領とウクライナ・ゼレンスキー大統領との首脳会談が行われた。トランプ大統領は、「全て順調に進めば3者会談を開催でき、戦争を終結させる可能性が生まれるだろう」と述べ、ゼレンスキー大統領は、「我々は準備ができている。3者会談への良い兆候だ」と語った。
その後、ヨーロッパの首脳も交えた会合を開き、侵攻後初となるロシアのプーチン大統領とゼレンスキー大統領による首脳会談に向けて、調整を始めたことを明らかにした。会談の開催は当初「2週間以内」とされてきたが、実現に向けては、いまだ不透明な情勢が続いている。

ヴィクトリア・シヴィデンコさん:
毎回、交渉の話になると、ウクライナ人もとても期待する。でも、毎回、結局希望を失ってしまう状態。今回も戦争が終わりになってくるのではと、大きな期待をしていたんですけど。
停戦や和平合意に向けては、大きな焦点となっているのが、「領土問題」と「安全の保証」だ。
ロシアはウクライナ領土の譲渡を求めているが…

ヴィクトル・シヴィデンコさん:
戦争が終わるのに少しでも望みがあるのなら、どのような合意でも喜んでお受けする。
また、ヴィクトリアさんは、過去、ロシアが停戦合意を破った歴史があることから、「安全の保証」の確保を第一に訴える。

ヴィクトリア・シヴィデンコさん:
条件にのるにしても、ロシアが次、戦争に来ないという信用がない、まず。ちゃんとウクライナを守るということだったら、サインをしてもいいのではないか。
望みは「一刻も早い戦争の終結」
2人が望むのは、「一刻も早い戦争の終結」その1点のみだ。
ヴィクトリア・シヴィデンコさん:
ウクライナだけが戦争をやめたい、世界は戦争をやめてほしいと思っても、結局、ロシアも一緒にみんなと会わないと、話は続かない。戦争がすぐに終わってほしいですね、1日でも早く。それだけが望みですね、私たちの、ウクライナ人の。
停戦や和平合意に向けて、県内で避難生活を送るウクライナ人も首脳会談の実現、そしてトップの賢明な判断を待っている。
アメリカのシンクタンク「戦略国際問題研究所」が6月に発表したリポートによると、ロシア・ウクライナ双方合わせた兵士の死傷者は140万人近くになるとされている。
プーチン大統領とゼレンスキー大統領の首脳会談は実現するのか、実現に向けて、アメリカをはじめ世界各国はどのように働きかけ、日本はどう動くのか、戦争終結の一歩となる首脳会談の行方に注目だ。
(テレビ宮崎)