気象庁は1日、熊本市のこの夏の平均気温が28.0度と観測史上最も高かったと発表しました。2年連続で記録的な暑さとなる中、高温による厳しい労働環境が指摘されてきたのが学校の給食調理室です。
熊本市の大西市長は小中学校全ての給食調理室へのエアコン設置を決め、2日、設置が完了した調理室を視察しました。
白山小学校の子どもたち、きょうは大西市長や遠藤教育長と一緒に食べる交流給食です。
メニューは麦ごはんに五目うどん、きんぴらごぼうなど。これらの給食は学校敷地内の調理室で作られています。
給食調理室は作業中、室温が40度以上になることもあるそうです。
また、今年は記録的な暑さもあってか市内ではこれまでに8人の調理員が熱中症になり、うち2人は救急搬送されています。
こうした状況を重く見た大西市長は今年7月、市内のエアコン未設置の94調理室全てにエアコンを整備すると表明。ここ白山小など30の調理室には夏休み中に設置されました。
子どもたちとの給食を終えた大西市長は、エアコンが設置された調理室にやってきました。
【尾谷 いずみ キャスター】
「今、調理室では食器などの洗浄の作業が行われています。洗浄は水ではなく熱いお湯が使われています。エアコン設置前は室温が40度くらいになっていたということです」
【調理員インタビュー】
「火を使うと熱気がこもって熱くなったりしますが、だいぶ涼しくなって仕事がしやすいです。快適に仕事もできるし体の負担も違うと思います」
白山小ではエアコン設置後、作業中の調理室の室温は30度前後になり、それまでよりも10度ほど下がったそうです。
【大西 一史 熊本市長】
「気温が高くなると調理室の中で食中毒のリスクも高まってくる。救急搬送された方までいらっしゃったことを踏まえ、緊急的に〈これはやろう〉と決断した」
エアコン設置に係る費用は合わせて25億4000万円。市独自の緊急措置としてこのうち19億円は市債を活用する方針です。
市は残る未設置の64調理室にも今年度中に設置を終えるとしています。
給食調理室の室温は揚げ物などの調理では特に高くなるでしょうし、夏は本当に厳しい環境ですね。
安全な給食を守るには働く人の環境も大事だと、市では7月には火を通すメニューを減らすなど工夫もしたそうですがそれでも今年は熱中症になる調理員が8人に達しました。ちなみに去年の夏は1人でした。このままではいけないという判断だったとしています。