棒状のバトンを回転させながら身体の動きを音楽に合わせる芸術性の高いスポーツ、バトントワリング。高度な技術が求められるバトントワリングで、見事、世界一に輝いた男子高校生が福岡にいる。将来に見据える目標とは…。

高2男子“バトン”世界大会で1位

福岡市の博多高校『バトントワリング部』。全国大会はもちろん、今や世界レベルの選手を擁する強豪校だ。バトントワリングは、競技人口の約9割が女性だが、博多高校では、男子の選手たちも代々、活躍している。

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高校2年生の小山田泰我さん。2025年8月にイタリア・トリノで開かれた世界大会の『スリーバトンの部』で、見事、優勝。世界一に輝いた。

博多高校2年 小山田泰我さん
博多高校2年 小山田泰我さん

『スリーバトン』とは、3本のバトンを使う種目で、1本のバトンは、天井に届くほどの高さに飛ばし、残りの2本は手元でくるくると回す。バトンを落とさないだけでなく、音楽に合わせたダイナミックな演技も求められる。

小山田さんがこの競技と出会ったのは、2人の姉がきっかけ。

「2人の姉が、2人ともバトンをやっていた。発表会や“博多どんたく”に出演しているのを見に行くと楽しそうにやっているのを見て、自分も入りたいな」と思い、小学1年生の時にクラブチームに入会したという。

小山田さんは、「1曲を通してたくさんの方々に技の凄さであったり、自分の感情までも表現したり、見て下さる方に感動を与えられたりするのが魅力」と語る。

バトントワリングを始めて約10年。これまでに何度かやめたいと思ったこともあったと話すが、「まだ続けた方がいいよ」と仲間に支えられて続けることができたという。

仲間の部員も世界1位と2位

博多高校バトン部の部員は、現在16人(男子2人)。実は、小山田さんを支えてきた仲間たちも世界トップレベルの選手達だ。

2年生の久島大空さんは、『ツーバトン』で世界2位に、1年生の刀根遥緋さんは『デュエット』で世界1位に輝いている。博多高校バトン部は、8月の世界大会で、なんと3人が、世界1位と2位となる異例の活躍を果たしているのだ。

「小山田は、バトンをずっと見ているから、ちょっとずれてもちゃんと取りに行けてる。大会だと、より一層集中力が凄くて、全然、バトンを落とさないから、それが凄い」と話すのは、同級生の久島さん。後輩の刀根さんは、「いつも優しくしてくれる先輩」と笑顔で語った。

夢はバトンを“オリンピック種目”に

共に部内で切磋琢磨し、今では世界レベルの強豪校となった博多高校バトン部。バトントワリングでは、男性の競技人口や認知度は、まだまだ低いが、「女性の演技に比べて、力強い演技とかトスを高く上げたりできるので、そういう所が男性の演技の魅力」と小山田さんは話す。

そして、バトントワリングをもっと世の中に広めて「将来、オリンピック競技になったらいいなと思う」と熱く夢を語った。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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