宮城県仙台市で、70代の女性が警察官などを名乗る男の電話を信じ、金880万円相当をだまし取られる特殊詐欺事件が発生した。警察は複数人による組織的な犯行とみて捜査を進めている。
事件が起きたのは8月17日。仙台市泉区に住む70代の女性の自宅に、電話会社の職員を装った男から電話があった。男は「あなたの携帯電話がまもなく使えなくなる」と告げたという。
続けて、今度は関西方面の警察官を名乗る別の男が登場し、こう告げた。
「あなたが契約した携帯電話が犯罪に使われている」「現在、あなたを容疑者として捜査している」「守秘義務があるので、家族にも話してはいけない」
その後、8月20日には同じ男から再び電話があり、今度は「あなたの資産を確認する必要がある」として、貴金属販売店で金を購入するよう指示された。
「資産確認後に返金するから、金を買ってほしい」女性はこの話を信用し、金500グラム(時価約880万円)を購入。
その後、8月27日、指示通りに近所の公園のベンチに金を置いて自宅へ戻った。男は電話で「近くに警察官が見張っているから安心してください」などと話し、女性の警戒心を和らげていたという。
事件が発覚したのは、男との連絡が取れなくなった後。女性が同居する親族に相談し、ようやく詐欺であることが明らかになった。
警察は、公園周辺の防犯カメラ映像や、被害者にかかってきた携帯電話の発信元などをもとに、容疑者の特定を急いでいる。犯行の手口や流れから、複数人による計画的な詐欺事件とみられている。