コンビニエンスストア大手「ミニストップ」が、消費期限を偽って商品を販売していた問題。
関西テレビは店長を独自取材。なぜ不正を行ったのか。
その背景に迫ると、本部から「不正の指示はなかった」ものの、店内調理の商品については、本部から高い販売目標を立てられている現状と、廃棄を減らすため「2~3時間なら遅らせても大丈夫」と“罪の意識を感じることなく”偽装をしたことが明らかに。

■初めて明かされる「消費期限偽装」 当事者が語る手口と“真相”
先週、発覚したある問題。その渦中にあるのがミニストップだ。
7都府県計23店舗で「店内調理された」商品の消費期限偽装が発覚し問題となっている。
このうち関西では、半数を超える16店舗で不正が発覚。
愛知大学法学部 木村義和教授:ミニストップは店内調理の先駆け的なコンビニ。これを強い売りにして、勝負していた。
売りにしていた「店内調理」で発覚した、消費期限の偽装。
この問題の“真相”に迫るべく取材班が接触したのは…。
消費期限を偽装していた店長:私が店長をしている店で、改ざんが行われました。私としては2~3時間なら(賞味期限を遅らせても)大丈夫かなと。
メディアで初めて明かされる問題の“真相”。
消費期限を偽装していた店長:罪の意識を感じるとかは特になく…。
独自取材ミニストップ消費期限偽装問題。
当事者が語る手口と“真相”とは…。

■関西では16店舗が偽装
8月18日、コンビニ大手「ミニストップ」で発覚した問題。
記者リポート:こちら大阪市内にあるミニストップです。こちらの店舗でも消費期限の偽装が行われていたということです。店に張り紙などはなく通常どおり営業しています。
ミニストップは、店内で調理される「手づくりおにぎり」や「手づくり弁当」で、消費期限の偽装が確認されたと発表。
偽装していたのは、7都府県23店舗に上り、その半数以上を占める16店舗が、ここ関西に―。
利用客:手作りは、なおさら気を付けていただかないと。
利用客:きょう買ったものが、このカップ焼きそばなので、こういうのだったら大丈夫かなと思って。ちょっとおにぎり買うのは…やっぱりちょっと抵抗はあります。
この問題を受けミニストップは、全国およそ1600店舗で店内調理の商品の販売を中止。再開のめどは立っていない。

■「罪の意識は低かった」改ざん指示の店長に直撃
客への裏切りとも言える“消費期限の偽装”。
取材班は、この不正に手を染めた渦中の店長に取材した。
取材に応じたのは、関西にあるミニストップで店長をつとめる男性。
(Q.消費期限を偽装していた店舗の店長ですか?)
消費期限を偽装していた店長:はい。私が店長をしている店で改ざんが行われました。私が(消費期限の)ずらしを指示しました。罪の意識は低かったと、振り返って反省しています。
この店長は、「およそ1年前から消費期限を偽装していた」と話す。

■不正の手口は「時間がたってからラベル貼る」「期限延ばしたラベル貼りなおす」
どのようにして不正を行っていたのか、ミニストップによると手口はこうだ。
店内で調理した後、消費期限のラベルをすぐには貼らず、2時間程度経ってからラベルを貼り、消費期限を延長して販売していた。
また別の店舗では、店頭に出した商品に、消費期限を延ばしたラベルを新たに貼りなおすケースもあったということだ。
食の安全が大きく揺らぐ不正行為になぜ、手を出してしまったのかー。
消費期限を偽装していた店長:工場で納品されるおにぎりとかは、おおむね2日近くもちます。ただ、店内で調理するものは8時間、10時間という商品ばかりですので、(店内調理は)それだけ廃棄リスクが高かった。

■店内調理の先駆け的なコンビニ「ミニストップ」
ミニストップの最大の強みでもある店内調理。
1980年、大手コンビニに後れをとる形で横浜市に1号店をオープンして以降、業界4番手の地位を確立した背景にも、店内調理商品のヒットがあった。
コンビニ業界に詳しい専門家は…。
愛知大学法学部・木村義和教授:ミニストップは店内調理の先駆け的なコンビニ。これを強みに勝負していたコンビニです。特徴がそこ(店内調理)で出ているから、今でも大手3社が独占している中で、ミニストップが今まで生き残れたところがある。

■「2~3時間なら遅らせても大丈夫」廃棄を減らすため不正
セブンイレブンなど大手コンビニ3社に対し、店内調理を武器に何とかくらいついてきたミニストップ。
しかしその反面、店内調理は消費期限が短いため、廃棄されるリスクも高く、店長は「廃棄を減らすために不正を行った」と話す。
消費期限を偽装した結果、1カ月あたりおよそ2万円分の商品の廃棄を削減できたということだ。
消費期限を偽装していた店長:例えば、虫が入ったりだとか、そういったことはないようには(していた)。私としては2~3時間なら(遅らせても)大丈夫かなという意識はあった。あれほど(不正が)常態化してしまってると…その場で罪の意識を感じるとかは特になく、そのまま販売してました。

■「不正の指示はない」が「高い販売目標」が設定されている
こうした不正が、全国の23店舗で横行していたミニストップ。
「組織的な偽装」だったのか。
店長は本部から「不正の指示はなかった」というものの、店内調理の商品については、「高い販売目標を立てられる」と話す。
消費期限を偽装していた店長:例えば、新発売のポテト・おにぎりというのは、『たくさん作れ』と指示はもちろんあります。たくさん作ってますけど、なかなか減らない、売れない商品もあるんです。(消費期限を)ずらすことによって、廃棄が減ったこともあります。
一方、ミニストップは関西テレビの取材に対し、「店舗が各自の判断で行った」と強調している。
ミニストップのコメント(関西テレビの取材に対し):本部の関与はない。販売データに基づいた数を提案し、店側と合意の上で決めている。
不正を指示した責任をとって、店から退く予定だという男性店長。
取材の最後、カメラに向かってこう言い残した。
消費期限を偽装していた店長:(消費期限の)ずらしっていうのはおそらく、どこの店舗でも、大なり小なりあったとは感じています。

■コンビニのフランチャイズ契約とは
コンビニのフランチャイズ契約はどのようなものなのか。
コンビニのフランチャイズ本部は、商品・運営ノウハウ、ブランド力などを提供する代わりにロイヤリティ加盟料と売上の数十パーセント分とみられるものをミニストップ本部に納める。
今回取材した店長によると、1店舗あたりで月々高額なロイヤリティを払っていたということだ。

■「無人化・省人化を進め需要予測を」阪大・安田教授
大阪大学大学院の安田洋祐教授は、「無人化・省人化を進めて需要予測をし、注文が入ってから作る形式にしてみては」と提案した。
安田洋祐教授:1~2店舗だけではなく、広範囲に消費期限の不正が行われた。不正が行われやすい温床になっていたんではないか。本部側はコンビニ大手3社に対抗するための差別化戦略として店内調理品を売りにしたい。けれども、消費期限が短いと需要予測をきちんとやらないと売れ残りが起きてしまいます。
今は人材不足で人件費も高騰している。店内調理は店員さんがやるので、その部分においても競争優位性が失われつつあったのではないか。
今後を考えた時に、あくまでも一つの提案なんですけれども、できるだけ無人化・省人化を進められないか。例えば、コンビニでもコーヒー飲料とか客が自分で入れるのが当たり前になっている。
多くの商品を機械化するのは難しいかもしれないですけど、技術が進歩しているので無人化・省人化して店員の負担にならない形でできたての商品を届ける。オーダーが入ってから作れば売れ残りは起こらないので、そういった意味でもフードロス改善にもつながりますし、これからますます高騰していくであろう人件費対策にもなる。
残念な事件ではあるんですけれども、今までの契約とかミニストップが掲げている問題点が浮き彫りになってきたので、何か大胆な施策を行うきっかけにする発想もあるかもしれないなと思いました。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年8月26日放送)
