今年の新米の価格がどうなるのか?指標となるJAが農家に前払いする県内の「概算金」が公表されました。主な銘柄全て2024年の1.7倍ほどに上がり過去最高となっています。
長野県内でも新米の収穫が始まりました。2024年、夏ごろから高騰したコメの価格。備蓄米の放出で少し落ち着きましたが、「銘柄米」は依然として高値となっています。
今年の新米はどうなるのでしょうか?
8月27日、全農長野が注目の会見を開きました。
JA全農長野 生産販売部・池田吉隆副部長:
「令和7年産米の概算金の設定価格は過去最高額」
「概算金」はJAが農家に前払いするもので「新米の価格」の指標となります。
全農長野によりますと、主力の「コシヒカリ」は60キロあたり2万8240円で2024年より1万1950円増額。県のブランド米「風さやか」は2万7700円で1万1950円増額。
12銘柄全てが2024年より約1.7倍になったということです。過去最高の額で引き上げ額も過去最大となります。引き上げ幅を見ると「コシヒカリ」は2022年の1020円から、約10倍となっています。
JA全農長野 生産販売部・池田吉隆副部長:
「(令和)7年産米に向けての集荷業者の動きが非常に活発だった。高い価格での集荷競争になっている。われわれとしては集荷量確保を観点に(概算金を)設定した」
もともと需要と供給のバランスが悪かったコメ。さらに、生産コストの増大や今年の猛暑の影響もあり、集荷量の確保のため大幅にアップしたということです。
JA全農長野 生産販売部・池田吉隆副部長:
「猛暑、渇水の影響で集荷不良に懸念を持つ取引先から長野米の安定供給を強く要望されている。安定供給、切らさないように販売いただくには、われわれとしても集荷の確保が前提だった」
新米は9月下旬には店頭に並び始める見込みです。「概算金」を見れば消費者の負担が懸念されますが―。
JA全農長野 生産販売部・池田吉隆副部長:
「売価は小売事業者の設定なので差し控えたい」
一方、農家は「コメ価格」について複雑な思いを抱えています。
25日に取材した農家はー
コメ農家:
「今までが安かった経緯もありまして、経営していくのにいっぱいいっぱいなこともあったんですよね。適正(価格)でいいコメを作れればいいかなと思います」
全農長野は、消費者に納得してもらえるよう丁寧な情報発信を行うとしています。