自民党は、27日午後から2回目の選挙管理委員会を行っているわけですが、総裁選前倒しを巡っては所属議員の意思確認の際に記名か無記名かが焦点となっていましたが、議論の結果はどうなっているのか、国会記者会館から首相官邸キャップの瀬島隆太郎記者が中継でお伝えします。
宮司愛海キャスター:
瀬島さん、結論は出たんでしょうか?
首相官邸キャップ・瀬島隆太郎記者:
選挙管理委員会は、予定の1時間を超えて現在も続いています。大きな焦点となるのが総裁選の前倒しを求めて署名を提出した議員の氏名を公表するかどうかという点ですが、結論はまだ出ていません。踏み絵を迫る格好となる氏名の公表は、議員の判断に大きく影響するとみられ賛否が分かれています。
青井実キャスター:
ずっとやっている感じですね。
宮司愛海キャスター:
なかなかスピード感としては遅いなという印象ですね。
この総裁選前倒しですけども、自民党所属の国会議員と47都道府県連を合わせた総数342人の過半数172人が要求した場合、前倒しが決定するということになります。
そこでFNNは今回、自民党の国会議員295人本人に対して、記名を伴う書面で意思確認する方向性が示されたということを踏まえまして調査を行った結果、「要求する」が68人、そして「要求しない」が46人。
「態度保留」や「無回答」「回答を控える」と回答したのが6割ほどに上ったということなんですね。
そして都道府県連へのアンケート結果は、前倒しを「要求する」と答えたのが4団体のみということで、ほとんどが態度は保留している結果となりました。
実際のアンケートを見てみると、「要求する」と答えた西田議員ですが「衆参で過半数割れ、当然責任が問われる」のではないかと書いてあります。
そして「要求しない」と答えた船田議員は「いいえ」というふうに答えていますが、「これまでの選挙の敗北の原因はいわゆる裏金問題であり、石破総理に落ち度はない」「石破総理の退任を求める国民の声というのは少数であり、永田町の理屈で事を決することは自民党の崩壊につながる」とアンケートに答えてくれています。
宮司愛海キャスター:
党内でも分かれていることが分かりますけども、こういったアンケートの結果ですが、ポイントはどういったところにあると考えますか?
首相官邸キャップ・瀬島隆太郎記者:
まず前倒しを「要求する」と明言した議員が、全体の2割にとどまったことが挙げられます。取材をしますと、党内には前倒し自体には前向きな議員はもっといるのは実体なんですけども、それと比べると少ない印象です。これには直近で浮上した2つの要素が関係しています。それは世論と記名式です。世論調査で内閣支持率が急上昇し、石破首相続投の世論が高いと分かったこと、そして総裁選を求める書面の提出者が公表される可能性があること。この2つが議員の心理的なハードルを高め、情勢が流動化しているものとみられます。
青井実キャスター:
アンケートした感触からいうと、前倒し開催の見通しはどうみえますか?
首相官邸キャップ・瀬島隆太郎記者:
その鍵を握るのは、保留と未回答の合わせて6割の議員の動向です。というのも、これらの中にも「総裁選はすべきだと思うが、自分が要求するかは世論を見極めてから決める」と答えた議員が相当数いました。首相周辺はこれだけの世論を受けながら、まだ70人近い議員が揺るがずに要求するのか、最後まで予断を許さないなどと警戒感を強めていて、また副大臣・政務官に出ている離反の動きが広がることも警戒しています。石破首相には関税交渉や外交で評価を得て支持率を上げた自負があり、世論を盾に状況を打開したい石破首相と対応に悩む議員の神経戦、ギリギリまで続くことになりそうです。
宮司愛海キャスター:
確かに石破首相の続投を支持する世論調査の結果もある中で、党内での石破降ろし派の考え、それから世論とのずれが結果にどう関係してくると考えていますか?
首相官邸キャップ・瀬島隆太郎記者:
ずれの一方で、選挙敗北の責任が宙に浮いているというのも事実です。ある首相経験者の周辺も「けじめは必要だ。首相の代わりに幹事長が責任を取る可能性もある」としています。このように参院選の責任を明確にした上で、自民党の目指す方向を改めて見直すべきだという意見は多いのですが、その着地点が見いだせない状況です。
青井実キャスター:
前倒しに関する結論はいつごろになるんでしょうか?
首相官邸キャップ・瀬島隆太郎記者:
9月2日に参院選総括の公表が決まっていますので、議員らに対する前倒しの意思確認はこの総括の後になります。早くても9月3日水曜日以降となりそうです。
青井実キャスター:
パックン、記名式なのか無記名なのかということですが、総裁選前倒しの行方どうみますか?
SPキャスター パトリック・ハーラン氏(パックン):
僕は正直、無記名という形式でやってもあまり賛成の票は多くないんじゃないかなと思います。世論としては総裁選をやれというわけにはいかないし、やったとしても石破首相が再選する可能性も十分あると思うんです。ですから反対派に回った議員は、次の石破政権の中での立場も悪くなるし、恐らく前倒しどころか総裁選をさせないと思いますよ。
宮司愛海キャスター:
議員ですから、しっかり自分の考えを持って行動してほしいなと思ったりもします。