JICA・国際協力機構が山形・長井市をタンザニアのホームタウンに認定したことをうけ、SNSなどで「移民が増える」など誤った情報が広がり、人口約2万4千人の長井市が揺れている。市には8月26日までに1600件を超える問い合わせや抗議が寄せられていて、対応に頭を悩ませている。

虚偽情報に対し抗議や問い合わせが殺到
市の職員たちが鳴りやまない電話の対応に追われている。
こうした事態に陥ったのは、8月21日に開かれた「アフリカホームタウンサミット」でJICA・国際協力機構が長井市をタンザニアのホームタウンに認定したことに端を発す。

市職員:
タンザニアに土地を提出する・提供する、移民を受け入れていく…というようなことはまったくございません。
ホームタウンの認定は交流をさらに深めることが目的。
しかし現地では、「長井市がタンザニアの一部になる」と誤解を与えるような報道や、「特別なビザの発給」に関する誤った言及があり、長井市に問い合わせや抗議が相次いでいる。

問い合わせや抗議は「現地の報道は本当なのか」といった心配の声や、「移民の受け入れはとんでもない」と批判するものなど。
8月24日午後~26日午後1時までに、メールと電話合わせて1600件に上り、通常業務に手が回らないほど。
職員は、「間違いだとわかると『安心した』という返事だった。誤った情報が現地で流れているので、JICAに対しても報道を訂正してくれるように申し入れをしている」と伝えていた。

市職員:
1件の対応に30分かかった。
いろいろ思ったことがあるようで、長井市に対する心配や普段考えていることを話された。
25日から電話が鳴りやまない。
電話が終わると、また次の電話がすぐにかかってくる。

タンザニアとは揺るぎない信頼関係・交流は続ける
JICAも「現地の報道について内容の訂正を速やかに行うよう申し入れを進めている」としているが、SNS上ではすでに「移民が増える」「治安が悪化する」などといった誤った情報が拡散され、対応に頭を悩ませている。

長井市・内谷重治市長:
まったくの事実誤認。
事実じゃないことで、我々の知らないところで、ネット上で批判されているのは非常にびっくり。
日本政府が地方自治体をほかの国にあげるなんてことはあり得ない。
そういった事実はないと理解してほしい。

内谷市長は、「批判されてもタンザニアとの付き合いは非常に重要だと思っている」「タンザニアの人々は非常にやさしい人たち」とも話していた。
長井市とタンザニアには、これまでの長い付き合い・交流があり、これまで同様、友好関係を続けていくとしている。

また取材によると、問合せは市外・県外の人からが多いそうで、地元の人々にはタンザニアとの揺るぎない信頼関係があるようだ。
(さくらんぼテレビ)