新潟市の大学で高齢者とペットの飼育をテーマにした講義が行われました。飼い主の死亡などにより、突然、ペットが取り残されてしまうことを防ぐために必要なこととは何か、学生たちが学びました。

新潟市北区の新潟医療福祉大学で行われた『高齢者とペット飼育』をテーマにした講義。医療や福祉の業種を志す学生などが参加しました。

講義ではまず、ペット飼育全般の課題となっている多頭飼育崩壊の現状が説明されました。

【新潟市動物愛護センター 登坂友一 所長】
「わたしが見たときに10頭規模はいると思った。『すぐに不妊・去勢手術をしないと、また増えますよ、増えてかわいそうな子が出てくるから去勢手術しましょう』と言っても拒否された」

新潟市動物愛護センターによりますと、多頭飼育崩壊は高齢の飼い主にも起こりやすく、問題の背景には飼い主の生活困窮などがあるということです。また…

【新潟市動物愛護センター 登坂友一 所長】
「高齢者が1人で飼っていて、身寄りがなく1人で亡くなる。アパートとかに閉じ込められる」

高齢者とペット飼育をめぐっては飼い主が入院したり、死亡したりすることにより、突然、世話をする人がいなくなり、取り残されてしまうペットが後を絶ちません。

飼い主のサポートなどをする団体の代表からは、そうした高齢の飼い主の事例が紹介され、民生委員などと連携し、問題の早期の発見・解決に取り組んだ事例などが伝えられました。

「市民活動グループどうぶつがかり 三浦真美 代表】
「死に際は遺言書を書くとか、誰かに託すとか、そんなことはできない。だから、死後の準備は健康なうちにしておかなければいけない」

講義ではこのほか、飼い主自身が本当にペットを飼育できる経済力や知識を持っているのか、ペットを飼う前に考えることが重要であることや問題が起きたときに周囲が気付ける体制をつくる必要性などが説明されました。

【福祉職を志す学生】
「人間だけではなくて、動物にも支援をしていかなければいけないという考えが、今回の話を聞いて強く思った」

【消防士を志す学生】
「家の環境を見た中で、ペットがいることにも気づいて、ペットの状況にも気づけたらいい」

ペットの飼育にあたっては飼い主の責任が求められています。

NST新潟総合テレビ
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