21日は急転直下、熱帯低気圧から発達した台風12号の影響で鹿児島県内は大荒れとなり、河川の氾濫や住宅の浸水被害などが出ました。

台風に翻弄された県内を視聴者からの投稿も交えながら振り返ります。

21日午前9時、鹿児島の西にあった熱帯低気圧は、突如、台風となった。

台風は県内を強風域に巻き込みながら、ゆっくり東に進路をとった。


坪内一樹キャスター
「午後5時、鹿児島市紫原です。横なぐりの風が吹いて雨が打ち付けています。そしてこの交差点も道路が冠水してしまっています」

発生からわずか8時間で台風12号は21日夕方、日置市に上陸。各地は大荒れとなった。

南さつま市から鹿児島市に戻るバスの車内。まるで川の中を走っているような異様な光景が広がっていた。

鹿児島市の団地の入り口ではアンダーパスの水にはまり車2台が動けなくなっていた。

いちき串木野市付近では約120ミリの雨が降ったとみられ、記録的短時間大雨情報を発表、南さつま市では加世田川が氾濫した。

民辻弘平アナウンサー
「南さつま市加世田です。こちらの道路は泥水で冠水しています」

ここ南さつま市では8人が消防に救助され、うち女性1人が低体温症の疑いで搬送された。

美川愛実キャスター
「鹿児島中央駅です。こちらでは雨がざーっと音をたてて降っていて、もともと列車で移動する予定だった人たちが50人以上タクシーを待っています」

台風によって県内の交通も麻痺。

浸水被害も相次いだほか、鹿児島市でも風にあおられた50代から80代の男女4人が軽傷を負った。

8月8日の記録的な大雨から一息つく暇もなくやってきた台風、改めて自然の猛威を思い知らされた。

鹿児島県内を横断した台風12号は各地に被害をもたらしました。

こちらをご覧ください。

南さつま市では加世田川が氾濫したほか、枕崎市ではコンクリートの擁壁が住宅を直撃しました。

そして、鹿児島市の和田川一帯は川の氾濫により住宅街が泥に覆われました。

22日の各地の様子を取材しました。
 

21日、鹿児島県南さつま市を流れる加世田川が氾濫しました。

映像では住宅の2階辺りまで浸水し、車の屋根部分がかろうじて見える状態です。
住民らしき人が救助される様子も確認できます。

(がんばれー!がんばって!) 
 
近隣住民
「午後3時過ぎですね。午後5時にかけて、すごく水位が上がってきた。目の前の側溝が溢れてどうなるかなと思った。みるみるうちに、川があふれ出て(水が)超えてきました」

一夜明けた22日朝の様子です。

激しい雨と雷が鳴り響く中、21日の浸水現場へと向かいました。加世田川の周辺は流れ出た水によって道路がえぐられ、電柱が大きく傾き、水道管がむき出しになっていました。

川沿いにある民家では障子に浸水の痕がくっきりと残り、家具やたたみが押し上げられてしまっています。

住民
「きのう、川を見た時、ここらへんも(水が)くるだろうな、今回で3回目だから」

Q.以前の2回と比べてどうか?
「とてもひどかった」

こちらの民家では停電になっていました。

住民
Q.停電はいつごろからか?
「水が上がった時から午後6時ごろでした。水もその時は止まってました。今はもう水は大丈夫」

南さつま市 加世田 内山田 坂口地区・前田哲郎自治会長
「堤防が低い場所があって気になっていたので、自治体として市の方に要望してみようかなと思う」

池田政昭記者
「午前8時、南九州市を流れる万之瀬川水系の麓川です。上流から濁流が激しく流れています」

南九州市でも22日朝、強い雨が降り続き、市内を流れる万之瀬川は一時、氾濫危険水位を超えました。

側溝からは水が溢れ、鉄製の網がめくれあがっているところもありました。

こちらは枕崎市桜木町の住宅地です。住宅の裏にあるコンクリート製の擁壁が崩落し、倒れてきた擁壁が住宅の一部を損壊しています。

近隣住民
「ドカン、ドカンと2回くらい音がしてなんだろうと思って、勝手口から見たらここが倒れていた。怖いですね。次の台風がこなければいいけどね」

近くの住民によりますと21日夕方に崩落したとみられ、当時、家には住人がいましたが、けがはなかったということです。


台風12号の影響で21日、水があふれた鹿児島市の和田川です。

橋の一部は破損し、流れの強さを物語っていました。

一夜明けて付近の住宅地は…

道路には泥が流れ込み、通りには故障した車が。

こちらの住宅は床上浸水し、畳まで水に浸かりました。

男性は別の場所に住んでいて、この家は現在倉庫として利用していたそうです。

住宅を所有する男性
「いま来たところ。たまに水は上がってくるが、今まではこんなことはなかった。この辺の家はみんな水が来ても良いように高く作っているが今回はひどかった」

川沿いに建つこちらの住宅。車のタイヤは半分ほど水につかっています。

住人
「和田川と同じように(道路に)水が流れてきて大体僕の腰くらいまであった」
「急に水かさが増えたので対策という対策はできなかった」

しかし、そんな作業のさなかにもー

美川愛実アナウンサー
「午前11時を過ぎました鹿児島市和田です。土砂の撤去作業が進められていましたが、いま急に雨が強まりました。みなさん一度作業を中断しています」

時折、雨も降る中で進められた作業。

鹿児島市では現在被害の状況を調査しています。

和田森山町内会長・田中勇一会長
「かなり急に“いきなり台風”みたいな感じだったので慌てる。高齢者が多いのでなかなか(作業が)進まないのが実情」

鹿児島テレビ
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