霧島連山の新燃岳の噴火が始まって8月22日で2カ月です。
これまでに噴火は発生していませんが、現在も活発な火山活動は続いていて、噴火警戒レベル3が継続されています。

そんな中、先月、新燃岳の噴火をめぐって気になる研究結果が発表されました。
6月から7月にかけて長崎県で高濃度のPM2.5が観測され、その原因が新燃岳噴火によって放出された「火山ガス」とみられるということが、長崎大学の研究でわかりました。

長崎大学環境科学部の中山智喜准教授などは、6月30日から7月5日にかけ長崎県で高濃度のPM2.5が観測されたのは、新燃岳などの火山から放出された火山ガスが原因とみられると、発表しました。

(長崎大学環境科学部 中山智喜准教授)
「最初は二酸化硫黄の数値が高いということで、珍しい現象だなということで詳しく調べたというところです」

新燃岳では一連の噴火で多量の火山ガスが観測され、7月4日には小林市に一時、二酸化硫黄注意報が発令されました。

中山准教授によると、新燃岳から放出された二酸化硫黄などの火山ガスが化学反応を起こした結果PM2.5が生成され、大気中のPM2.5の濃度が上昇したとみられるということです。
その濃度は、この季節の通常時の数倍から10倍程度まで達していました。観測当時の状況を聞いてみると…

(長崎大学環境科学部 中山智喜准教授)
「普段に比べて空が霞んでいる状況でして、稲佐山というちょっと長崎で有名な山があり、4キロメートルくらい離れているんですが、普段に比べればかなり見えにくい状況になっていました。(この季節に)今回のようにかなり高濃度のPM2.5が観測されることは稀で、今回の事象は頻繁に起きるものではないです」

PM2.5は大気中に浮かんでいる直径が2.5マイクロメートルよりも小さな液体や固体の粒子で、口から吸いこむと肺まで達することがあります。

(長崎大学環境科学部 中山智喜准教授)
「人間が呼吸で吸うと肺までいくんですけど、その過程で呼吸器系(疾患)の喘息であったり気管支炎などが悪化しやすいです。大規模な噴火が起きて空が霞むような時は注意していただいたほうがいいと思います」

テレビ宮崎
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